花王の1~9月、純利益29%減の583億円 原材料高が重荷
花王が1日発表した2022年1~9月期の連結決算(国際会計基準)は純利益が前年同期比29%減の583億円だった。素材高に円安も加わり、輸入する原材料費が膨らんだ。紙おむつや洗剤類の値上げで補えていない。22年12月期通期の純利益予想(前期比1%増の1110億円)は変えていないが、進捗率は5割強と不透明感が出ている。
営業利益は29%減の769億円。原材料高による減益影響は310億円に上り、80億円の値上げ効果で補えなかった。洗剤類などの事業でコスト増が鮮明で売上高営業利益率は7%(前年同期は11%)に下がった。
売上高は10%増の1兆1277億円だった。衣料用・食器用洗剤で売り上げを伸ばしたが、乳幼児向け紙おむつやヘアケア製品など花王がてこ入れを進めるカテゴリーでは売り上げが減り苦戦している。
今期の業績見通しは据え置いた。原材料高による通期の減益影響は円安進行が重なり、430億円と従来想定の400億円から膨らむ見通しだ。