住友化学、パワー半導体子会社吸収合併 開発加速

住友化学は1日、次世代パワー半導体開発を手がける子会社のサイオクス(茨城県日立市)を10月1日付で吸収合併すると発表した。次世代パワー半導体はデータセンターや電気自動車(EV)向けなどで市場の拡大が期待されている。住友化学は同市場を重点投資分野に据えており、吸収合併することにより開発効率を高める。
サイオクスは住友化学の完全子会社で、2015年に日立金属の半導体材料事業を買収して新設した。サイオクスは次世代パワー半導体のなかでも窒化ガリウム(GaN)素材に強みを持つ。GaNは電力の供給や制御に使えば省エネや機器の小型化につながるパワー半導体の基板材料として、現在主流のシリコンに代わると期待される結晶材料の一つだ。
住友化学の情報電子化学部門に組み込み、経営資源を重点的に投入していく方針。24年度にも大口径のパワーデバイス用GaN基板の量産を本格化する計画で、現状100億円弱の売上高を今後10年以内に300億円まで引き上げる。