肌のくすみ、原因は毛穴の「角栓」 花王が研究発表
花王は肌のくすみの原因が、毛穴にたまった汚れ「角栓」にあるとの研究結果を発表した。太陽や照明の光で酸化した角栓が周囲の皮脂を酸化させ、皮脂の酸化が肌の表面におよぶと色がくすんで見えるという。角栓は40~50代にかけて増えることも研究で分かり、くすみを抑えるには角栓を毎日洗顔で減らすことが重要だと分析する。

同社の研究所で約3年間、皮膚科学や界面化学といった分野の研究員が集まって発見した。肌のくすみは従来、酸化した皮脂が肌の表面の角層を酸化させ、角層がダメージを受けることに原因の一つがあるとされてきた。
同社は皮脂が酸化する原因を探す過程で、皮脂の供給源となる毛穴に着目した。毛穴にタンパク質と皮脂の混合物が固まってできる角栓が存在すると、そこに太陽光などの可視光線が当たって角栓が酸化し、皮脂や角層の酸化に連鎖すると発見した。角層が酸化することで肌がくすんで見えるようになる。

研究によると、角栓は小鼻だけでなく、顔全体の毛穴にたまっており、特に40~50代にかけて角栓が増えるという。同社が20~50代の各年代で頰の角栓を調べたところ、50代は20代と比べ、角栓の面積が2倍以上に増えることが明らかになった。
同社は、肌のくすみを軽減するには角栓の量を減らすことが有効であると説明する。同社が開発中の角栓を取り除く洗顔料を13人に1カ月間処方したところ、角栓が減るほど肌が明るくなった。角栓は日々の汚れが積み重なってできるため、洗顔料で毎日洗い流すのが重要だという。
角栓を酸化させる可視光線は窓ガラスを通過して室内に入るため、日常的に防ぐのは難しい。同社は今後、角栓の除去や皮脂の酸化を抑える技術の開発を進め、洗顔料やスキンケアグッズの商品化に反映していく。