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地域の担い手、地域で育成

SmartTimes 公益資本主義推進協議会副会長 田中勇一氏

NIKKEI BUSINESS DAILY 日経産業新聞日経産業新聞 Smart Times

「感謝、誠実」という花言葉を社名とし、社会貢献型人財育成事業に取り組むのはCampanula(カンパニュラ、福岡市)。その社長である権堂千栄実さん。「自分のようにキャリアで悩む人を支援したい」という想いが原動力だ。

学生時代から親元を離れたいと考えていた権堂さんは合格した県内の短大への入学を辞退し、自分で勤め先を探し就職した。しかし、仕事になじめず短期間で離職。その後もいくつかの職を転々とした末、ようやくパソコンのインストラクターという適職に巡りあう。性に合っていたのか楽しく取り組め、仕事の成果もあげることができたのだ。

その後、32歳で結婚し、出産後はインストラクターの仕事に復帰した。企業の研修開発プロジェクトにも参画するなど活躍する中、42歳の時に、キャリアカウンセラー資格を取得。自分と同じく仕事に悩む人が多いことを知った権堂さんは、その方々へのキャリア支援のため、思いきってカンパニュラを設立した。

立ち上げ当初は、経営経験もなく不安が大きかったが、知り合いのつてなどで、再就職支援の仕事や大学などでの非常勤講師の話が来た。そして、仕事を通して「地元で働きたいが、働く場所がない」という声を多く聞くことになる。しかし、実際は地元に多くの魅力的な中小企業が人を求めている。求職者と企業の情報共有ができていないのだ。

そこで、権堂さんは中小企業の社員研修と子どもの職業体験を融合させた社会貢献型研修事業「ジョブスタディー.jp」を提案。学校も巻き込み、2010年に第1回を開催。その後、学生が仕事に向き合える貴重な場として先生方の口コミで広がり、年間14校延べ24授業を行うまでになる。14年には経済産業省が主催する第4回キャリア教育アワード地域企業協働の部において優秀賞を受賞。さらに、支援した中学校で高校進学率が80%未満から98%まで上がるなどの成果も出た。

一方、学校相手の事業は黒字化が難しく、スタッフが疲弊していた。何度も事業閉鎖を考えたが、その都度、応援してくれる官庁や企業の救いの手があり、事業は存続。結果、多くの学生の職業観醸成に貢献してきた。

また、権堂さんは人材受け入れ側の中小企業にも「人を育成する」という意識を持ってもらわなければならないと考え、企業の人財育成支援にも取り組む。クラウドサービス提供企業と組み、管理職の負担を軽減し社員が主体的に学び成長する育成システム「オートジョブトレーニング(AJT)」をリリースした。

「ジョブスタディー」と「AJT」を組み合わせ、地域教育の土台を作り「地域の担い手は地域企業が育てる」という土壌を日本全国に広げたいと意気込む権堂さんの活動から目が離せない。

[日経産業新聞2022年2月11日付]

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