川崎重工、水素事業の売上高3000億円へ 31年3月期目標

川崎重工業は1日、水素関連事業で2031年3月期に3000億円規模の売上高を目指すと発表した。20年11月に示した1200億円との見通しの2.5倍に膨らむ。足元では世界初の液化水素運搬船の開発を進める。22年3月期の下期中には実証設備を使いオーストラリアで生成された水素の積載に取り組む。
同日都内で開いた中期計画の進捗報告会で、橋本康彦社長が明らかにした。26年3月期には1000億円超の事業規模が視野に入ってきたという。水素は世界的な脱炭素シフトの切り札と期待されており、資源国から船で大量に運搬する技術が必要になる。
川崎重工によると水素発電のデータセンターなど水素のサプライチェーンが必要なプロジェクトは世界で50件を超えており、同社が手がける運搬船や液化機などの引き合いが高まっているという。橋本社長は「すぐにでも欲しいとスピード感も求められている」と期待の高さを強調した。
橋本社長は産業ロボットの技術を活用した自動PCR検査サービス事業についても説明した。新型コロナウイルスの陰性証明の需要が増していることから、足元の最大10倍にあたる1日12万5000件の検査体制を年度内に確立する。大学や空港との連携を拡大し、大規模PCR検査の社会実装を加速する。
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