/

Wi-Fi環境の見直し ルーターは高速で安全「6」が主流

最新パソコンスペックガイド ネットワーク編(上)

NIKKEI STYLE

ネットワーク環境は一度構築するとそのままにしがちだ。しかし、ここ10年でWi-Fiルーターの最大通信速度は10倍以上になった。「ビデオ会議の最中に動画が途切れた」「顔がフリーズして動かない」といったトラブルは、Wi-Fiルーターの性能不足が原因かもしれない(図1)。この機会にWi-Fiルーターや中継器の刷新を検討するとよいだろう。今回から2回にわたってネットワーク環境の最新事情を解説しよう。

◇    ◇    ◇

現在販売されているWi-Fiルーターの大半が、Wi-Fi 6に対応する。これは、最新規格IEEE802.11axの通称だ。「6」は6世代目を表し、Wi-Fi 5(IEEE802.11ac)の後継規格となる(図2)。登場と同時にWi-Fi 6という通称を導入し、過去の2世代にもその呼び方に即した通称が付いた(図3)。

もともと、認証団体に認可された無線LAN機器を「Wi-Fi」と呼ぶことから、無線LANのことをWi-Fiと呼ぶようになった(図4)。Wi-Fiと携帯電話の高速通信規格「5G」はまったくの別物で、用途も違う(図5)。

Wi-Fi 6はセキュリティーや効率が向上

Wi-Fi 6は、Wi-Fi 5から規格上の最大速度が約1.4倍にもなり、大幅に速度が向上した(図6)。

それ以外で進化した面もたくさんある。例えば、最新の暗号化方式を採用してセキュリティーを強化した。また、複数のパソコンやスマホと効率よく通信する仕組みを導入しつつ、無駄な通信を減らして消費電力を節約する技術を採用する(図7図9)。

Wi-Fi 6に対応するパソコンやスマホは最新機種に多い。Wi-Fi 6に対応する機器が1台でもあれば、速度向上のメリットを享受できる。しかも、実売価格が1万円前後の製品もあり、Wi-Fi 5対応ルーターとの価格差が縮小している。今自宅のネットワーク環境を見直すなら、Wi-Fi 6対応ルーターを導入して損はない。

周波数帯を環境で使い分ける

Wi-Fi 6対応ルーターは製品によって最大速度が異なる。最大速度は、パッケージや製品仕様などに記載されている。Wi-Fi 6は5ギガヘルツ(ギガは10億、GHz)帯と2.4GHz帯を利用できるため、それぞれの帯域に対応した最大速度が記載されている。高速なのは5GHz帯なので、その数値を重視したい(図10)。Wi-Fi 6対応パソコンのほとんどは、最大速度が2.4ギガビット/秒(Gbps)なので、それと同等以上の速度をうたうルーターを選びたい(図11)。

Wi-Fi 6の速度で接続できるのは、この規格に対応したパソコンとルーターを組み合わせたときだけ。どちらかが非対応だと、古い規格の通信速度になってしまう(図12)。

5GHzと2.4GHzの帯域はそれぞれ一長一短がある。5GHz帯はWi-Fi専用の周波数帯で、周囲の電波環境に左右されにくいうえ、高速で通信ができる。ただし、電波の直進性が高く遠方に届きにくい。

一方、2.4GHz帯は汎用周波数帯で、Wi-Fi以外のBluetoothやワイヤレスマウスといった機器もこの周波数帯を使う。そのため、周囲の電波状況の影響を受けやすいうえ、5GHz帯より通信速度が遅い。だが、電波が回り込みやすい特性を持ち、遠方まで届きやすい(図13)。2つの周波数帯域を使い分けるには、接続先を適宜変えるか、次回で紹介する「バンドステアリング」を活用する(図14)。

(ライター 田代祥吾)

[日経PC21 2021年11月号掲載記事を再構成]

すべての記事が読み放題
有料会員が初回1カ月無料

ワークスタイルや暮らし・家計管理に役立つノウハウなどをまとめています。
※ NIKKEI STYLE は2023年にリニューアルしました。これまでに公開したコンテンツのほとんどは日経電子版などで引き続きご覧いただけます。

関連企業・業界

セレクション

新着

注目

ビジネス

ライフスタイル

新着

注目

ビジネス

ライフスタイル

新着

注目

ビジネス

ライフスタイル

フォローする
有料会員の方のみご利用になれます。気になる連載・コラム・キーワードをフォローすると、「Myニュース」でまとめよみができます。
新規会員登録ログイン
記事を保存する
有料会員の方のみご利用になれます。保存した記事はスマホやタブレットでもご覧いただけます。
新規会員登録ログイン
Think! の投稿を読む
記事と併せて、エキスパート(専門家)のひとこと解説や分析を読むことができます。会員の方のみご利用になれます。
新規会員登録 (無料)ログイン
図表を保存する
有料会員の方のみご利用になれます。保存した図表はスマホやタブレットでもご覧いただけます。
新規会員登録ログイン

権限不足のため、フォローできません