明治やアサヒ、米国に粉ミルク供給へ FDAに申請
明治や森永乳業、アサヒグループホールディングス(HD)が米国の粉ミルク市場に商品供給を検討していることがわかった。明治は国内で製造する乳幼児用の粉ミルクやキューブタイプなどの輸出許可を米食品医薬品局(FDA)に申請したほか、森永乳業やアサヒも商品の輸出許可を申請した。米国での深刻な粉ミルク不足に対応し、供給を支援する。
現在はアジアを中心に販売している明治は、埼玉工場(埼玉県春日部市)で生産した国際食品規格に適合した商品を中心に米国に輸出する計画だ。森永乳業も国内で生産する粉ミルクの輸出を申請したという。
アサヒグループHD傘下のアサヒグループ食品は「和光堂」ブランドで国内生産し、東南アジアに輸出している「HAIHAI」を供給する。各社による供給は支援の側面が強いようだ。
米国では深刻な粉ミルク不足に陥っている。新型コロナウイルス禍でのサプライチェーン(供給網)の混乱に加え、2022年に入り米国の粉ミルク大手のアボット・ラボラトリーズが商品リコールと工場閉鎖に見舞われた。米バイデン政権が米国の粉ミルク業界に増産を要請し、FDAは海外メーカーの輸入規制を一時的に緩和した。
この緩和措置は11月14日に期限を迎えるものの、粉ミルクメーカーでは延長の可能性もあるとの見方がある。もともと安全面などの規制が強く米メーカーによる寡占状態にあったが、当面は緩和措置が続くと見据えた各国のメーカーが申請などの準備を進めており、スイスのネスレや仏ダノンなども供給を強める見込みだ。
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