ロッテ、ブロックチェーンでカカオ農園の児童労働を監視

ロッテは1日、ブロックチェーンの技術を使い、ガーナのカカオ農園で児童労働を監視する実証実験を三井物産などと始めたと発表した。カカオ栽培は低賃金労働などが問題視されており、児童労働根絶を目指す。環境や人権に配慮を求める消費者らに応える。
ロッテはカカオ豆の8割近くをガーナの農園から調達している。実証実験ではガーナ政府が生産農家に割り当てたIDに、どの程度児童労働のリスクがあるかといった情報をひも付ける。ひも付けにはブロックチェーンを用い、偽造や改ざんなどを防ぐ。
ガーナ国内のカカオ豆のサプライチェーンは複雑かつ電子化されていないため、詳細なトレーサビリティー情報を取得するのが難しかった。新しい方式を用い、ロッテはサプライチェーン上の児童労働のリスクを正確に把握できるようになる。
ロッテはESG(環境・社会・企業統治)の中期目標で、2028年度までに全てのカカオ豆で調達費用の一部を生産地支援に充てるとしている。牛腸栄一社長は「児童労働はメーカーが取り組むべき課題。カカオ産地全体に広げていきたい」と話す。

SDGsは「Sustainable Development Goals」の頭文字をとった略語で、国連サミットで2015年9月、全会一致で採択された世界共通の行動目標。国や民間企業の取り組みに関する記事をお読みいただけます。
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