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犬のぼうこうのミニ臓器 東京農工大、がん研究に応用

東京農工大学の臼井達哉特任講師らは、治療の難しい犬のぼうこうがんの発症の仕組みを研究するのに役立つ「ミニ臓器」の作製に成功したと発表した。犬のがんの早期診断法の開発につなげたり、人のぼうこうがんの治療法に応用したりできる可能性があるという。

健康なビーグル犬の尿道にカテーテル(医療用細管)を入れ、ぼうこうの粘膜を血が出ない程度に軽くかきとって細胞を取った。この細胞を3次元的に培養して、実際のぼうこうと似た組織構造を持つミニ臓器を作った。

培養した細胞は増殖能力が高く、細胞の異常な増殖で起こるがんの発症メカニズムの研究に用いやすい。例えば犬や人のぼうこうがんの発症要因の一つとされる、化学物質への長期間の暴露によって細胞ががん化するかなどを調べられる。犬にこうした物質を与えるのは倫理上の懸念があったが、ミニ臓器を使えば回避できる。

ぼうこうがんに至る様々な段階でミニ臓器を作って細胞の状態を調べれば、犬のがん発症リスクの判定法の開発にもつながるという。研究チームは既に、ぼうこうがんを発症した犬からミニ臓器を作ることにも成功した。このミニ臓器は健康な犬から作ったものに比べ、がんを抑える遺伝子の発現量が少ないことなどが分かった。今回作ったミニ臓器が健康な犬のぼうこうの細胞の性質をよく再現することを示す結果だ。

ぼうこうがんは犬がかかるがんの数%を占め、罹患(りかん)率は高くないものの予後が悪いことで知られる。化学療法や手術による現在の治療には限界がある。

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