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セントラル硝子、海外ガラス撤退 欧米事業を売却

22年3月期、380億円の最終赤字に

(更新)

セントラル硝子は1日、欧米のガラス事業から撤退すると発表した。現地の関連会社の全株式を米投資会社アトラス・ホールディングス傘下の特別目的会社(SPC)に譲渡する。同事業は連結売上高の4分の1を占めるが、中国勢などとの競争激化で苦戦。今回の譲渡で海外のガラス事業から撤退し、化学品などに注力する。

3月31日付で譲渡契約を結んだ。譲渡額は非公表。海外のガラス事業を巡っては、すでに台湾事業や米国の建築向けから撤退。欧米での自動車向けの撤退で全ての海外ガラス事業から撤退することになる。ガラス事業は2021年3月期の連結売上高のうち6割の1123億円を占めるが、営業損益は30億円の赤字と苦戦していた。

今回の株式譲渡に伴い、約475億円の特別損失を計上し、22年3月期の連結最終損益が380億円の赤字(前の期は12億円の黒字)になりそうだと発表した。従来予想(25億円の黒字)から一転して大幅赤字となる。

ガラス業界を巡っては、世界では中国勢が価格競争をしかけているほか、AGC、セントラル硝子、日本板硝子の3社が寡占する国内市場も人口や住宅着工の減少に伴う供給能力の過剰で、利益を生み出しにくくなっている。ガラス自体の製品としての差別化が難しいことも背景にある。新型コロナウイルスで落ち込んだ経済活動の活性化に伴い需要も回復傾向にあるが、ガラス事業の採算改善は各社に共通する課題だ。

国内の余剰設備の統廃合が業界全体の課題となるなか、経済産業省は15年に3社に設備の統廃合を求める報告書を出した。AGCとセントラル硝子は国内の建築用ガラス事業の統合を計画したものの、事業評価などで折り合わず21年に破談になった経緯がある。

セントラル硝子はAGCとの事業統合破談後、国内のガラス製造窯を閉じるなど構造改革を進めていた。同社の化学品事業は高シェアを持つリチウムイオン電池向け電解液などの需要が好調で利益の大半を稼ぐ。今後は化学品に注力するとみられる。

他の2社も再編に動く。最大手のAGCは21年に北米の建築用ガラス事業を売却すると同時に、化学品や電子材料、医療分野を稼ぎ頭として育成を進める。06年に英ピルキントンを約6000億円で買収するなど、ガラス中心の展開を進めてきた日本板硝子は財務状況が悪化し、人員削減や事業選別などの構造改革を進めている。

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