IHI、2カ月半ぶり高値 業績の上方修正に期待
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11月30日の東京株式市場でIHI株が一時、前日比240円(7%)高い3770円と約2カ月半ぶりの高値をつけた。新型コロナウイルス禍からの経済再開で、航空エンジン関連需要の拡大による業績の上方修正への期待感から買いが集まった。

終値は同230円(7%)高い3760円。SMBC日興証券が29日付のリポートで最も買いを推奨する「トップピック」として取り上げたことが材料視された。2023年3月期の予想連結営業利益を前期比19%増の968億円と従来想定から27億円引き上げた。6200円だった目標株価を6600円とし、投資判断も最上位「1(アウトパフォーム)」を維持した。
同社の大内卓氏らはリポートで、主力の航空エンジン事業について「リオープン(経済再開)に伴いコロナ前の業績水準に改善する」と指摘する。同期の純利益の市場予想平均(QUICKコンセンサス、29日時点、9社平均)も531億円と、IHIの見通し(500億円)を上回る。
子会社がロケット弾システムを開発するなど防衛関連銘柄でもある。松井証券の窪田朋一郎氏は「防衛費を27年度に国内総生産(GDP)比2%に増額する政府方針も業績の追い風となる」と分析する。目先は上値を試す展開が続きそうだ。
