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設備投資拡大の兆し 今年度計画、7.1%増に上方修正

日銀6月短観

外需が投資需要をけん引

日銀が1日発表した6月の全国企業短期経済観測調査(短観)で、2021年度の設備投資計画は全規模全産業で前年度比7.1%増となった。前回3月の0.5%増の計画と比べ、大幅な上方修正だ。新型コロナウイルス禍で大企業が投資を抑制した前年の反動が出た影響もあるが、中小企業でも着実に持ち直すなど投資再開の兆しが出てきた。

QUICKが集計した民間予測の中心値(3.9%増)を大幅に上回った。例年、6月調査は中小企業の計画が定まっていない3月調査から上方修正されやすい傾向にあるが、日銀は「過去と比べて遜色なくしっかり伸びてきている」とみている。20年度の設備投資額は8.5%減だった。

外需主導で景況感の持ち直す製造業では、全規模で11.5%増を計画する。前回3月は3.0%増だった。好調な輸出や生産にけん引される形で半導体の製造装置など機械設備の投資需要が高まっている。

悪化が続いてきた非製造業でも全規模で4.5%増と前回3月の1.0%減からプラスに転換した。緊急事態宣言の長期化で対面サービス業を中心に景況感は大幅に落ち込んできたものの、新型コロナワクチンの普及による本格的な景気持ち直しへの期待から非製造業でも投資再開の動きがみられる。

雇用面では人手不足感が強まりつつある。人員が「過剰」と答えた企業から「不足」の割合を差し引いた雇用人員判断DI(指数)は全規模製造業でマイナス7と5ポイント低下。先行きについてもマイナス10と一段の人手不足を見込む。非製造業も足元はマイナス18と2ポイント上昇したものの、ワクチンの普及や経済活動の再開を見込める先行きはマイナス24と6ポイント低下した。

企業の資金繰り環境は小幅に改善した。資金繰りが「楽である」と答えた企業から「苦しい」の割合を引いた資金繰り判断DIは、全規模全産業でプラス11と2ポイント改善。製造業、非製造業ともに2ポイントずつ上昇した。

一部の企業で売り上げが持ち直しているほか、政府・日銀の資金繰り支援策による下支えで金融機関の貸し出し態度も緩和的な状況が続いている。ただ、資金繰り判断DIはコロナ禍前の19年12月の水準(全規模全産業でプラス16)を下回ったまま。足元では変異ウイルスの流行で景気回復が遅れる懸念のほか、資源高による仕入れ価格の上昇が企業収益を圧迫する恐れもある。

日銀はコロナ禍からの回復をめざす日本経済を下支えするため、6月の金融政策決定会合で企業の資金繰り支援策を22年3月末まで半年間延長することを決めた。今後は企業の前向きな設備投資計画が着実に実行されるかが焦点になる。

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