パイオラックス、ストップ高 前期比2.8倍の増配好感
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(更新)
30日の東京株式市場でパイオラックス株が急伸し、制限値幅の上限(ストップ高水準)である前営業日比300円(22%)高の1680円をつけた。同日午後に2023年3月期の年間配当予想を前期比2.8倍に引き上げると発表し、個人投資家などからの買い注文が殺到した。

パイオラックスは工業用ファスナーを主力とする自動車部品メーカーで、日産自動車やマツダなどを主な取引先とする。30日午後、資本効率の上昇を目的に配当方針を変更し25年3月期までの3年は連結配当性向100%を目標に配当を実施すると明らかにした。従来は30%以上を目安としていた。
方針変更に伴い、今期の1株あたり年間配当予想を前期比2.8倍(82円増)の127円に引き上げた。従来予想では同5円増の50円としていただけに、市場では「派手なサプライズ」(auカブコム証券の山田勉氏)との受け止めが広がった。発表直後から買い注文が集中し、大引けまで売買が成立しなかった。
この日の急騰で25日移動平均からの上方乖離(かいり)率は16%に達し、過熱感も意識される。「配当利回りやPBR(株価純資産倍率)の割安感を考えればまだ魅力がある」(国内証券)と、さらなる上値追いを予想する声もあった。
