日経平均、年間で5%上昇 年末終値32年ぶり高値
2021年の大納会を迎えた30日の東京株式市場で日経平均株価は続落し、前日比115円(0.4%)安の2万8791円で終えた。年末終値としては史上最高値を付けた1989年(3万8915円)以来、32年ぶりの高値水準となった。新型コロナウイルス禍からの経済再開への期待が高まった。各国の財政出動や金融緩和による低金利も株高を支えた。

年間ベースでは1347円(4.9%)高と3年連続で上昇し、東証1部の時価総額は年末ベースで初めて700兆円の大台を上回った。日経平均の年間値幅(高値と安値の差)は3656円と2012年以来9年ぶりの小ささで、比較的に落ち着いた値動きとなった。
新型コロナウイルスのデルタ型による感染拡大の懸念から8月に年初来安値の2万7013円を付けたが、ワクチン接種の進展が支えとなって下落は限定的だった。9月に菅義偉前首相が自民党総裁選への不出馬を表明したことをきっかけに日経平均は急騰し、31年ぶりの高値となる3万0670円まで上昇した。
欧米株は年間で2割を超える上昇が目立ち、日経平均の上昇率は見劣りした。経済活動の再開が遅れ、景気の回復が鈍いことが重荷となった。