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大地震に備え知っておきたい 被災した時にすべきこと

熊本県益城町などで最大震度7を観測し、甚大な被害が出た熊本地震の発生から14日で6年。南海トラフ地震や首都直下地震など、巨大地震のリスクの懸念も高まる中、震災への備えの重要性は増している。災害対策では、水や食料などモノの備えに加え、被災した時の対応についての知識を持っておくことも大切だ。万一の時、速やかに生活再建に着手するのに役立つ仕組みを知っておこう。

外出時の家族の安否確認方法もチェック

自然災害に備えるには、水や食料、災害用トイレといったモノの準備だけでなく、心の準備も大切だ。勤務先や外出先で被災したらどうするか、家族の安否をどう確認するかなどをあらかじめシミュレーションしておこう。そうすれば、万一の時にパニックに陥らずに済む。

被災後、生活を再建するためにはどんな手続きが必要かを知っておくことも重要。何をすべきか分かっていれば、速やかに暮らしを立て直すことができる。

現役世代は通勤途中や勤務先で被災するリスクが高い。日ごろから通勤途中では、「今ここで地震や停電が起こったらどうすべきか」を考えておくといい。「防災の知識や万一の時の行動への意識があるかないかが、生死を分けることもある」と危機管理アドバイザーの国崎信江さんは指摘する。

災害発生時は、外出先や勤務先からむやみに帰宅しようとしないのが基本だ。保育園や学校へ子供を引き取りに行かなければと無理をするのもよくない。「子供には『すぐには行けないこともあるけど、必ず迎えに行くので、それまでは先生の言うことをよく聞いて待っていてね』と普段から話をしておくといい」(国崎さん)

状況が落ち着いて自宅へ戻ったら、すぐに生活の再建に取り掛かろう。居住する建物や家財の状況を調べてみて被害を受けていたら、保険会社のコールセンターに電話して火災保険・地震保険の請求をする。「保険会社は受け付け順に手続きをするので、早く連絡すれば保険金の受け取りも早くなる」(国崎さん)。そのためにも、保険会社の連絡先や証券番号はすぐに分かるようにしておきたい。ネットやLINEで保険金請求ができるところもあるので要チェックだ。

被災した建物の外部や内部は、スマートフォンなどのカメラで撮影しておく。浸水被害の場合は、どこまで浸水したか分かる写真を撮っておこう。それによって保険金の請求や罹災(りさい)証明書の発行がスムーズになる。

罹災証明書をすみやかに申請

罹災証明書は建物の被害状況を証明する書面で、公的な支援を受けたり、義援金を受け取ったりするために必要となる。市区町村に発行の申請を行うと、被害状況の調査が行われ、証明書が交付される。申請は市区町村の窓口で行うほか、大規模な災害の場合は臨時の出張所が設けられて申請を受け付けることがある。スマートフォンからオンラインで手続きができる自治体もある。

自然災害で損害を被った場合、翌年に確定申告して「雑損控除」または「災害減免法」の適用を受けると所得税が減免される仕組みがあることも覚えておこう。

今後は災害時などに公的な支援を受ける際、マイナンバーカードで手続きが簡単になるケースが増えると見込まれるので取得しておくといい。

被災時の「お金の困った」の対処法


Q. 住宅が全壊、残った住宅ローンはどうなる?
自宅が全壊して住めなくなっても、住宅ローンは原則として免除されない。返済が困難なら、借り入れた金融機関に相談して返済猶予や一時的に利息のみの支払いにするなどしてもらおう。将来的に返済が難しい時は、金融機関に「自然災害被災者債務整理ガイドライン」の適用を申請することでローンが免除・減額されることがある。

Q. 通帳やキャッシュカード、クレジットカードを紛失してしまった
大規模な災害の場合は、通帳、印鑑、キャッシュカードなどが失われても一定額までは預金の引き出しができることが多い。クレジットカードやデビットカードは紛失すると不正利用される可能性があるので、カード会社・銀行に連絡して利用停止の手続きを。

Q. 電子マネーをチャージしたスマホを流失したらどうなる?
お金をチャージしたスマホをなくしたら、決済会社に連絡して利用停止を。新しいスマホで再設定すれば残高は維持される。交通系プリペイドカードの記名式のものは鉄道会社で手続きをする。

Q. 当面の生活費が足りない時はどうしたらいい?
災害で住まいや家財が損害を受けた場合、市区町村に申請すると最大350万円の「災害援護資金」の貸し付けが受けられる。勤務先の労働組合から100万円程度を無利息で借りられることもある。終身保険や個人年金保険など解約返戻金のある保険に加入していたら、「契約者貸付制度」によって返戻金の範囲で借り入れができる。

(ファイナンシャルプランナー・馬養雅子)

[日経マネー2022年4月号の記事を再構成]

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