英ファンド、特別配当の提案 地銀4行が総会で否決
京都銀行など地銀4行が29日までに開いた株主総会で、英投資ファンドのシルチェスター・インターナショナル・インベスターズが求めていた特別配当に関する議案はいずれも否決された。円安の加速もあって地銀株の割安感は強まっている。今後も投資家が地銀株を買い増すなどして、経営陣に大幅な株主還元を求める動きが広がりかねない。
特別配当を求められたのは京都銀、岩手銀行、滋賀銀行、中国銀行。シルチェスターは2006年ごろから各行に投資をしているというが、いずれの株主総会でも意見表明などはしなかった。
シルチェスターは①保有している株式から受け取る年間配当の100%に相当する額②コアの銀行業務からの純利益の50%――を配当に回すことを求めた。これに対して各行は健全性の確保や地域経済への発展の取り組みなどを理由に反対を表明。その一方で、株主還元を強化する方針も打ち出している。
シルチェスターは各行に対して自己資本利益率(ROE)の低さも厳しく指摘。上場企業として自己資本をうまく活用して収益拡大の道筋をきちんと示せるかも今後問われ続ける。