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4月から年金改正 人生100年時代は始まっている

積立王子への道(49)

投資の世界で「積立王子」のニックネームを持つ筆者が、これから長期投資に乗り出す後輩の若者にむけて成功の秘訣を伝授するコラムです。

年金をもらう年齢は自分で選べる

4月から公的年金制度が改正される。目玉は「老齢年金の繰り下げ受給の上限年齢引き上げ」だ。え? 「下げ」と「上げ」があってわかりにくいって? 失敬、失敬。要は年金をもらい始める年齢を今より遅らせることができるようになるんだ。今は基準年齢の65歳を中間に、早くもらいたい人は最短で60歳から、遅くもらいたい人は最も遅い場合で70歳からもらい始めることができる仕組みだ。この「繰り下げ」可能年齢が5歳引き上げられることで、今後はもらい始めを最大で75歳まで遅らせることができるようになる。

75歳まで我慢すれば84%も増えるんだ

何がいいかって、遅くもらい始めるとご褒美がもらえるんだ。70歳まで我慢すると、それ以降にもらえる毎月の年金額が65歳からもらい始めた場合と比べて42%もアップする。今度その年齢が75歳まで延びたことで、ご褒美のアップ率はなんと84%にもなる。生きている限り84%増しの年金をもらい続けることができるんだ。そうなると長生きの不安がグッと解消されるわけだ。

どうせ人生100年なら現役時代を延ばそう

日本は世界有数の長寿社会。世界の中でもとりわけ「人生100年時代」が現実的な国なのだ。繰り下げ受給の制度拡大は長生きに対する保険機能として働く。豊かな老後を自らの選択で実現してほしいという国からのメッセージでもある。どうせ人生が100年あるなら「老後」ばかりが長くなるのはもったいない。これまでより仕事に従事する期間を延ばし、現役時代の方を長くする。そうすれば70歳を超えた「現役」が当たり前になって社会文化として根付いていくだろう。

もちろん年金制度上もプラスだ。70代前半の人たちの多くが仕事をする社会になれば、少子高齢化の中でも働く人の数が増え、もっぱら年金だけで生計を立てる老年人口の方は増加を抑制できる。働くことで自分が75歳まで年金の受け取り開始を遅らせられるようになるだけでなく、年金財政上も社会保険料を負担する現役世代が増えれば、75歳以降は割り増しの年金を払うことになっても総体的な健全性は増す。そういう政策意図があっての変更なんだ。

公的年金の土台の上に「じぶん年金」を

日本は世界最速で本格的な「少子高齢人口減少社会」が進展する課題先進国だ。そして社会保障制度は国家としての存在意義の根幹をなす。政府も対処を積み重ねて今があるわけで「国の年金は破綻する」なんて軽々に言ってはいけないんだ。まあ、親世代からするとキミたちの遠い遠い人生100年時代は心配かもしれない。だからハジメくんもいろはちゃんも、まずはできるだけ長く仕事を続けられるための自分磨きに励みながら、個人型確定拠出年金(iDeCo)や積み立て型の少額投資非課税制度(つみたてNISA)という「じぶん年金」制度をしっかり活用して、長期投資でコツコツと資産育成を続けていこう。そして遠い未来に「その時」がきたら、公的年金の繰り下げ受給制度を併せて活用すればいいんだ。さあ、今から100年人生を豊かに生き抜く目標を計画的に考えていこう!

中野晴啓(なかの・はるひろ)
セゾン投信株式会社代表取締役会長CEO。1963年生まれ。87年クレディセゾン入社。セゾングループ内で投資顧問事業を立ち上げ、運用責任者としてグループ資金の運用等を手がける。2006年セゾン投信(株)を設立。公益財団法人セゾン文化財団理事。一般社団法人投資信託協会副会長。積み立てによる長期投資を広く説き続け「積立王子」と呼ばれる。『預金バカ』など著書多数。

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積み立て投資には、複利効果やつみたてNISAの仕組みなど押さえておくべきポイントが多くあります。 このコラムでは「積立王子」のニックネームを持つセゾン投信会長兼CEOの中野晴啓さんが、これから資産形成を考える若い世代にむけて「長期・積立・分散」という3つの原則に沿って解説します。

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