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コロナ禍前に戻るシニアの求人 月数万円なら職種も豊富

長く働いて安心老後(2)

老後に漠然とした不安を抱く人は多いが、実際に定年後に突入した60代以降のシニアたちは、月収10万円前後の「小さな仕事」に満足して老後を送っている。そうした小さな仕事なら求人も多く、選択肢も広がる。シニアの雇用や収入の実情を専門家に聞いた。

新型コロナウイルス禍で落ち込んでいた求人数が回復の兆しを見せている。中高年向けの転職支援サービスを展開するマイナビミドルシニアの三好裕さんは、「シニアの求人数もようやくコロナ禍前の水準に戻りつつある」と話す。

2021年4月に施行された改正高年齢者雇用安定法もシニアの就労には追い風だ。70歳までの就業機会確保を企業の努力義務とした。では、50~60代の転職・再就職の実情を見ていこう。

転職か再雇用か収入を比較

「50代後半と60代以降では、市場価値が異なる。求人の選択肢も待遇も60歳が分岐点になる」と三好さんは指摘する。晩婚・晩産化により、60歳を超えても教育費や住宅ローンの返済などを抱えているケースも多い。

「自身のライフプランを鑑みて、早期退職を戦略的に選び、60歳を迎える前に転職するという手もある」(三好さん)。

東京都民の就業を支援する東京しごとセンター。55歳以上が対象の「シニアコーナー」には定年を間近に控え、再雇用か転職かの選択に悩む相談者が訪れる。「自分の年齢ではどのような求人があるのか、転職したらどの程度の給与となるかについて、相談するシニアが多い」と話すのは、東京しごと財団の平野直子さんだ。

事務職や営業職などを希望する場合、同センターで紹介できる年収の目安は、正社員採用でおよそ300万円。「再雇用でそれ以上の収入が見込める場合や、これまでの仕事と同じデスクワークがいいなど、職種にこだわりがある場合は、会社に残った方がいいかもしれないと助言している」という。

シニアが希望する職種は「事務職」が圧倒的に多い。東京しごとセンターでも約4割が事務職を希望するというが、60代以降の求人は少なく、「限られた求人の争奪戦になる」という。

転職エージェントを利用するシニアの求職者も、定年前のキャリアを生かせる仕事を希望する人が多い。

だが、「60代以降のホワイトカラー系の転職は、技術系の専門職や有資格者などのスペシャリスト以外狭き門」と三好さん。

「スキルによって年収は300万~1000万円と幅が広い。希望年収を下げたり、職種転換したりすると選択肢が広がる」とアドバイスする。

希望に応じて窓口も異なる

一方でシニアが就職しやすいのが、マンション管理、警備、介護、調理補助など。パートタイムでの勤務が多く、時給は「各地域の最低賃金程度という場合が多い」(平野さん)。ただし、余暇や体力に合わせ、マイペースに働くことができるのも魅力。「年金に上乗せする収入が月数万円得られればいい」と考えるシニアに向いている。

人手不足の中、今後はサービス業をはじめ、医療・福祉、卸売・小売業など、労働力の需給ギャップが高い業界で、中高年の採用が増えそうだ。

仕事探しの窓口は、希望する雇用形態や収入のレベルによって変わってくる。「正社員や派遣社員として高収入を得たい」なら、シニア向け転職エージェントや派遣会社に登録。「ちょい稼ぎ」を目指すなら、地域のハローワークやシルバー人材センター、シニア向け求職サイトなどを活用するといい。

下はシニアの求人が多い仕事や働きやすい仕事の例だ。希望する収入に合わせた定年後の転職や再就職の参考にしてほしい。

マイナビミドルシニア、東京しごとセンターに聞いた
ガッツリ稼ぎたい派、ちょい稼ぎ派が就きやすい仕事は?

(ライター 澤田聡子)

[日経マネー2023年1月号の記事を再構成]

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