為替取引の参加者 貿易決済の実需筋、利益狙う投機筋
キソから!投資アカデミー 為替②
外国為替市場には大きく分けて「実需勢」と「投機筋」の2つのプレーヤーがいます。実需勢は、海外とのモノやサービスの取引に必要な通貨をやりとりする参加者です。商品を海外に輸出する自動車メーカーや、海外から食料品を輸入して国内で販売する食品メーカーなどです。海外の株や債券を売買する証券会社や保険会社、年金基金なども実需勢といえるでしょう。

輸入企業は貿易相手に支払うドルを安く仕入れたいため、円高・ドル安の方が有利とされます。輸出企業は円安・ドル高の方が海外に安い値段でモノを売れるため、国際競争力が上がるとされています。
投機筋は為替の動きで利益を得る市場参加者を指します。富裕層などから資金を集め、それを運用して利益を出すヘッジファンドや、外国為替証拠金(FX)勢などが代表例です。
日本でもよく知られているのがFXでしょう。存在感を高めたのは2007年ごろです。一般の主婦まで取引するほどの人気で、為替への影響力の大きさもあいまって、海外では日本のFX勢が「ミセス・ワタナベ」と呼ばれています。22年は円安・ドル高が歴史的な水準まで進んだこともあって取引額は1京円を超え、過去最大になりました。
銀行は実需勢や投機勢も含めた様々な顧客に対し、為替レートを提示し、為替取引を引き受けます。銀行は利益を出すため自らの資金で通貨を売買することもあります。