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マイナポイント、2万円をあきらめない方法

知っ得・お金のトリセツ(108)

(更新)

きょう2月28日は「マイナポイント付きマイナンバーカード」の作成申請期限だ。最大2万円分のマイナポイントをもらうには、申請後1〜2カ月待って届くカードを手に作業する必要がある。その作業自体の締め切りは5月末まで3カ月延長されたが、前段階であるカード作成については「延長は本当にない。ラストチャンス」(松本剛明総務相)。諸事物価高の昨今、2万円は捨てるに惜しい額だ。カウントダウン終了間近でも最後まであきらめず、きょう取れる方法を整理してみた。

申請書があれば23:59まで駆け込み可能だが…

カギを握るのは「QRコード付き交付申請書」。古くは2016年にマイナンバー制度が始まった際、自分の12ケタのマイナンバーの通知と共に配られたもの。新しくは昨年夏以降、未申請者に対してカード作成を担当する地方公共団体情報システム機構(J-LIS)から封書で送られているはずだ。

そこに記載された「申請書ID」(半角数字23ケタ)があればスマートフォンやパソコンから簡単に申請できる。メールアドレスや生年月日など簡単な情報を入力し、証明用の写真を撮影して送る。最後に「登録」をクリックすると「申請情報登録完了」の画面に遷移し、登録したアドレスにメールが届いて終了だ。

日付が変わると「さらば2万円」? 

ここまでの作業を日付が変わる前に終えればセーフ。スマホやPCは誰のものでもいいので、操作が苦手な高齢の親の作業は代行すればいい。15歳未満の子どもの分も同様に親が法定代理人として申請できる。

だが日をまたいでしまうと、タッチの差でもマイナポイントの権利はなくなる仕組みだというから要注意だ。マイナポイント第1弾の時もカード作成の締め切りは厳密に発動されたという。オンラインとはいえ申請サイトの混雑も予想される。1日前に自分が試した時でもマイナウサギが「誠に申し訳ございません。ただいま混み合っております」とアタマを下げ「14分待ち」の表示が出た。作業中に日付が変わってしまわないよう過度のギリギリ狙いはやめておこう。

待機ページが出た場合は?

28日になってネット上で話題になっているのが「締め切り1日延長!?」のニュース。申請サイトが混雑し、ウサギが謝っている表示がある場合は3月1日中に申請でも間に合うという。実際申請ページの待合室には「この画面が表示されている場合は、3月1日中に申請を完了していただければ、マイナポイントの申込対象となります」と今日から追加されている。

実はマイナポイント第1弾の締め切り時にもあった現象だ。純粋な処理量の問題で、28日中の申請後に処理が追いつかなかった分については3月1日まで処理を続ける、という趣旨だという。安易に「1日延びたんだ。3月1日でもいいんだ」と思わない方がいい。

駆け込み先 ①自治体窓口

申請書が手元にない場合は、それでも申請できる「窓口」に今日中に物理的に駆け込む必要がある。本来の担当は当然ながら自治体の窓口だ。ID付きの交付申請書をもらい、本人確認も済ませた上で間違いない形で作業を完遂できる。とはいえ混んでいる。場所によっては2時間待ち、3時間待ちの声も聞かれる。通常、自治体の窓口受付時間は午前8時30分〜午後5時や午後5時15分が中心。中にはマイナンバーカードシフトを組んで午後8時まで窓口を開けるところもあるというが例外的だ。駆け込んだ以上、「時間ですから」と申請を受け付けないことはないだろうが、作業量の分散には協力した方が安全だ。

駆け込み先 ②携帯ショップ

その場合、全国約8000カ所ある携帯ショップに駆け込む手がある。ドコモショップ、auショップ、ソフトバンクどこでも大丈夫だ。我々の税金を原資に「マイナンバーカードに係る申請サポート事業」を展開中なので、臆することなく手ぶらで駆け込もう。契約者でなくても大丈夫。スマホがなければ貸してくれ、手続きをサポートしてくれる。全て無料だ。本人確認もしないので免許証などを携行する必要もない。「それで問題は起きないのか」とやや疑問だったが、ショップは申請段階では自治体窓口につなぐだけの存在だという。いざカードができて届いた時は本人確認書類を持って自治体窓口に取りに行く必要があるので、仮になりすまし申請などがあっても「受け取り段階ではじかれる」(総務省)わけだ。携帯ショップの営業時間は午後7時など自治体窓口よりは遅くまで開いているのが一般的だ。

駆け込み先 ③郵便局

近くに携帯ショップがない場所では郵便局が代替スポットとなる。規模の小さい市町村を中心に全国約2300カ所の郵便局でもマイナンバーカードの申請が可能だ。東京では離島など9市町村と少ないが、例えば北海道では125市町村が対象だ。自分の町の郵便局が対象かどうかは日本郵便のサイトから確認できる。携帯ショップ同様、手ぶら・無料で申請可能なのでなじみの郵便局に相談してみよう。

駆け込み先 ④郵送が意外に使えそう……

交付申請書をなくした場合、J-LISのサイ上の「交付申請書等ダウンロードページ」から紙の申請書をダウンロードすることもできる。郵送先が書かれた封筒もここで入手可能。ただし紙の場合は写真をプリントして添付することと、自分のマイナンバー12ケタを記入する必要がある。「通知カード」が手元にあったり、別途書き留めておいたりした人はこの手が使える。

郵送の場合も締め切りは28日だがミソは「消印有効」ではないこと。「28日中にポストに入れれば大丈夫」(総務省マイナポイント施策推進室)。当然、翌朝一番の回収までには間に合う必要はあるが「日をまたいだ」記録がかっちり残るオンライン申請の処理をイライラ待つよりは、若干の時間的余裕を享受できる意外な駆け込み先はポスト……かもしれない。

山本由里(やまもと・ゆり)
1993年日本経済新聞社入社。証券部、テレビ東京、日経ヴェリタスなど「お金周り」の担当が長い。2020年1月からマネー・エディター。「1円単位の節約から1兆円単位のマーケットまで」をキャッチフレーズに幅広くカバーする。

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