/

2022年 知っておきたいマネーカレンダー

知っ得・お金のトリセツ(72)

不確実性を増す世の荒波のなかで確実なことが一つ。2022年もお金に関する関心は高まりこそすれ、減じることはない1年になるということだ。社会保障から節約、教育まで、変化の大きい今年のマネーカレンダーを点検しておこう。一言で言うと「人生100年仕様」の制度が実装される1年が待っている。

1月 団塊の世代が75歳以上に

今年はかねて日本の人口動態上の節目とされる「2025年問題」のとば口にあたる。1947~49年生まれ「団塊の世代」のトップバッターが1月以降75歳の誕生日を迎え、医療や介護の必要性が増す後期高齢者に分類され始める。今後3年かけて650万人もの後期高齢者が新たに誕生することで、日本の社会保障制度にかかる負荷は一段と高まる。いずれ国民の4人に1人が75歳以上になる将来を見据え、単純な「支える側 vs 支えられる側」で終わらないチャレンジが社会でも個人レベルでも本格化する。

1月 マイナポイント第2弾スタート

昨年11月の経済対策で盛り込まれた「マイナポイント第2弾」が1月1日から始まった。マイナポイントとは予算を原資にした、いわば国によるキャッシュバック事業。マイナンバーカードを作り、所定の手続きをした上で任意の民間キャッシュレス決済サービスとひも付ける。その上で2万円分の買い物やチャージをすると最大5000円分(還元率25%)のポイントがゲットできる仕組みだ。もともと2020年9月から始まった「第1弾」で既に全額ポイントを獲得済みの人以外は皆対象だ。これから新たにカードを作る人はもちろん、第1弾の行程が途中になっている人も第2弾が始まったことで、本来昨年末までだった締め切りが撤廃されている。今後、夏前をメドにマイナンバーカードの健康保険証としての利用申し込みで7500円分、公金受取口座の登録で7500円分と、マイナポイントをもらえる機会が続く。早めに慣れておこう。

4月 公的・私的、2つの年金の変更続々

改正年金法が施行され、4月以降年金を巡るルールが順次「人生100年仕様」に変わる。目玉のトップバッターが公的年金の繰り下げ受給。もらい始めの上限年齢が70歳から75歳へ5歳後ろ倒しに。これまで65歳を中心に60~70歳の幅で繰り上げ・繰り下げ受給が可能だった年金に新たに「75歳まで受け取らない」という選択肢が加わるわけだ。すると月々の受給額は65歳時点と比べて84%も増える。

その間の生活はいかに賄うか? できるだけ長く働き、自分で備える私的年金を活用するのが世の流れ。そのためのインフラ整備も進む。これまで60代前半で年金をもらいながら働く場合、収入が月28万円超になると年金カットの憂き目に遭っていたが、4月以降は基準額が月47万円と緩やかになる。同時に、65歳以降厚生年金に入って働く場合、毎年の年金増が「見える化」されて励みになる制度(在職定時改定)も始まる。

足並みをそろえる形で私的年金でも「老後」を5年、後ろ倒ししやすくする制度改定が続く。まずは4月から確定拠出年金(DC)の分野で企業型、個人型(iDeCo、イデコ)ともに受給開始上限が75歳まで繰り下がる。

4月 学校で金融教育スタート

年金にたどりつくまで人生100年時代のお金の歩みは長く、時に厳しい。正しい理解を若いうちから身につけてもらう取り組みも始まる。4月から高校の家庭科の授業に金融教育が組み込まれる。人生で必要なお金への向き合い方や、株式・債券など金融商品の基礎を学校で学ぶ時代の到来だ。

4月 成人年齢が20歳→18歳に

関係があるのが成人年齢の引き下げ。民法上の成人の規定が2歳若くなり、自分だけの判断でクレジットカードをつくったり借金をしたり投資を始めたりすることが可能になる。半面、「未成年だから」と行使できた契約取り消しのハードルも上がる。

5月 DCでの運用が5年長く可能に 

改正年金法の第2弾は5月に施行される。DCに加入可能な年齢上限がやはり5歳伸びて後ろ倒しされる。イデコは65歳まで、企業型DCは70歳まで加入が可能になり、その分運用期間を長く取ることができる。

10月 パートの年金拡充、「全員イデコ時代」到来

公的・私的両方の年金で加入者のパイを広げる改正が10月に待つ。まずは厚生年金の適用拡大。これまで厚生年金加入の対象外だった中小企業で働くパートやアルバイトに枠が広がる。段階的に門戸を広げている最中だが、10月からは就労時間など一定の条件を満たすと従業員数101人以上の会社で対象となる。

私的年金ではイデコに加入できる会社員が増える。今までは実質的にイデコに加入することができなかった企業型DC制度を持つ企業の従業員にも門戸が広がり、「全員イデコ時代」が到来する。

10月 75歳以上の医療費自己負担 1割→2割へ

75歳以上が加入する「後期高齢者医療制度」で大きな変更がある。昨年6月成立の法改正により、一定の所得のある高齢者の医療費の窓口負担割合が現行の1割から2割に上がる。単身世帯で年収200万円以上、高齢夫婦世帯で320万円以上がメド。厚労省の試算では75歳以上人口のおよそ5人に1人が該当する。ただ、激変緩和措置として今後3年間は外来受診時の増額分が月3000円を超えないことになっている。

山本由里(やまもと・ゆり)
1993年日本経済新聞社入社。証券部、テレビ東京、日経ヴェリタスなど「お金周り」の担当が長い。2020年1月からマネー・エディター。「1円単位の節約から1兆円単位のマーケットまで」をキャッチフレーズに幅広くカバーする。

すべての記事が読み放題
有料会員が初回1カ月無料

食べたものが体をつくり、使ったお金が人生をつくる――。人生100年時代にますます重要になる真剣なお金との対話。お金のことを考え続けてきたマネー・エディターが気づきの手掛かりをお届けします。

関連トピック

トピックをフォローすると、新着情報のチェックやまとめ読みがしやすくなります。

セレクション

新着

注目

ビジネス

ライフスタイル

新着

注目

ビジネス

ライフスタイル

新着

注目

ビジネス

ライフスタイル

フォローする
有料会員の方のみご利用になれます。気になる連載・コラム・キーワードをフォローすると、「Myニュース」でまとめよみができます。
新規会員登録ログイン
記事を保存する
有料会員の方のみご利用になれます。保存した記事はスマホやタブレットでもご覧いただけます。
新規会員登録ログイン
Think! の投稿を読む
記事と併せて、エキスパート(専門家)のひとこと解説や分析を読むことができます。会員の方のみご利用になれます。
新規会員登録 (無料)ログイン
図表を保存する
有料会員の方のみご利用になれます。保存した図表はスマホやタブレットでもご覧いただけます。
新規会員登録ログイン