多様性求める統治指針、3割が順守せず 東証が公表
東京証券取引所は26日、2021年6月に改訂した企業統治指針(コーポレートガバナンス・コード)への対応状況について、同12月末時点の集計結果を公表した。東証1部企業では全83原則のうち67原則で順守する企業が9割を超えた。女性や中途採用者など管理職人材の多様性について、考え方や目標の公表を求める新しい原則は67%にとどまった。
上場各社が21年12月までに提出した報告書の内容を分析した。統治指針は原則を順守するか、しない場合は理由の説明を求めている。21年6月に新設・改訂した16原則のほとんどで順守率が6~8割台だった。社外取締役の比率を3分の1以上にするなど、4月に控える市場再編で最上位の「プライム」に上場する企業にのみ適用する原則は集計に含まなかった。
女性や中途採用者など管理職人材の多様性について考え方や目標の公表を求める新原則については、東証1部では67%だったが、TOPIX100の構成企業では89%だった。順守していない場合の説明は、女性については86社がしているが、外国人では22社、中途採用者は21社にとどまった。
取締役が持つ能力などを示すことを求める原則の順守率も71%だった。順守しない企業では、今後の対応を表明する企業が多かったという。83原則の全てに順守した企業の割合は1部上場で23%、2部上場で2%だった。