優待名人の桐谷広人さんが伝授 4億円突破の優待投資術 - 日本経済新聞
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優待名人の桐谷広人さんが伝授 4億円突破の優待投資術

高配当株&株主優待株 23年の狙い目(3)

優待投資家として人気を集める桐谷広人さん。ほとんど現金を使わず優待品や優待券で生活しており、優待株への投資だけで4億円の資産を築いている。そんな桐谷さんに「成功する優待投資術」を聞いた。

「桐谷さんの資産が4億円を突破した」との噂が聞こえてきた。コロナショック時に3億円割れと聞いたのに、4億円? これは確認せねば、と桐谷さんを直撃した。

「そうですよ。日経平均株価が3万円を付けた時は、4億4000万円に達しました。ウクライナ侵攻などで4億円を割る場面もありましたが、現在でも4億円は維持しています」とあっさり認める桐谷さん。信用取引はしない、現物株取引のみで優待株投資が中心の桐谷さんが、なぜ資産をここまで増やせたのか。極意を聞いた。

桐谷さんが挙げるのは「優待品を活用して支出を抑え、余裕資金を投資に回すこと」だ。身に着けるもの、食べるもののほとんどは優待で賄う。現金で払うのは、家賃や光熱費、電話代など。その上で捻出した資金を投資に充てる。売買の前提は、「株価が安い銘柄を買う」。その目安は配当と優待を合わせた総合利回りが4%以上であることだ。

毎日、大引け後に年初来・上場来安値を付けた優待株をチェック。さらに優待新設を発表した銘柄はないか確認。その銘柄群から総合利回り4%以上になるものがあれば買う、が桐谷流の優待投資術だ。「新設の場合は、内容が良いと翌日の株価が高騰して総合利回りが4%を下回る例もあります。夜間取引を見ながら翌日の株価を予想し、株価が高騰しそうなら、買いません。買う場合でも、総合利回り4%以上になる買値でしか注文しません」(桐谷さん)と徹底している。

慌てずじっと反転を待つ

こうして安値で取得した株が反転して上昇するのをじっと待つ。その間、優待をもらいながら生活費を圧縮し、捻出した資金で新しい銘柄に投資して……と続く。

「時にはコロナショックのように相場が急落することもあります。でも、慌てて保有株を売ったりせず、好機と捉えて新規に投資するんです」と桐谷さんはゆとりの表情を浮かべながら話す。

昨今は、IPO(新規株式公開)株で公募価格から株価が半減するなど大きく下落した銘柄を買うチャレンジングな一面も。しかし「IPO株投資でうまくいく例は、配当利回りがそれなりにある銘柄。配当が下支えになって、買値から大きく株価が下がることはありません。やはり安くなった配当株や優待株を買うのが、一番の投資法です」(桐谷さん)。

(佐藤由紀子)

[日経マネー2023年3月号の記事を再構成]

日経マネー2023年3月号 特選 高配当株&優待株で勝つ
著者 : 日経マネー
出版 : 日経BP(2023/1/20)
価格 : 800円(税込み)
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