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日銀の21年度経常利益、2.4兆円で過去最高 円安が寄与

日銀が27日に発表した2021年度決算によると、経常利益が2兆4185億円と前の年度に比べて4421億円増え、改正日銀法が施行された1998年度以来で最高となった。円安により外貨建て資産の評価額が拡大したほか、保有する上場投資信託(ETF)の分配金収入が増えた。新型コロナウイルス禍を背景とした金融緩和で総資産も過去最大となった。

企業の最終利益にあたる剰余金は1兆3246億円と8.7%増え、2001年度以来の高水準だった。外国為替市場で円安が進み、対ドルで21年3月末時点で121円67銭と20年3月末(110円71銭)から11円近く下がった。日銀が保有する外貨建て資産の円換算の評価額が膨らみ、為替差益は7220億円と前の年度から4742億円拡大した。

年度末の総資産残高は736兆2535億円と3.0%増え過去最大を更新した。コロナ対応の融資を手がける金融機関向けの特別オペ(コロナオペ)を中心に貸出金が20.4%増の151兆5328億円に膨らんだ。コロナオペの残高は86兆8372億円と22兆108億円増え、金融機関に809億円の付利が実施された。

国債の残高は526兆1736億円と1.1%減った。減少は08年度以来13年ぶり。国債を指定した利回りで無制限に買い入れる指し値オペの実施などで長期国債の残高は増えたが、国庫短期証券の償還額が上回った。国債の利息収入は1兆1233億円と367億円増えた。運用利回りも0.207%から0.211%に改善した。

ETFの購入額は5606億円と前の年度(5兆1527億円)から9割近く減った。株式市場が動揺した時に大規模に買い入れる方針に21年3月に修正し、購入頻度が急減した。株安を受け、時価から保有額(簿価)を引いた含み益は14兆6854億円と7590億円縮小した。一方、分配金収入は8426億円と1150億円拡大した。

経費削減などに取り組む地域金融機関に対し、日銀当座預金に年0.1%の金利を上乗せする制度では647億円の付利を行った。日銀は過度に支払いが増えるのを避けるため支援策を見直し、21年秋までの当座預金の実績に応じて支払う経過措置を設けていた。

日銀は大規模な金融緩和を縮小する出口に備え、引当金を積んでいる。21年度は債券取引損失引当金として4029億円を特別損失に計上した。自己資本比率は9.29%で20年度末の8.87%から上昇した。日銀が健全性の目安とする8~12%の範囲内に収まった。

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