パイロット、5%高 業績予想の上方修正で
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26日の東京株式市場で、筆記具大手のパイロットコーポレーション株が前週末比220円(5%)高い4845円と、この日の高値で取引を終えた。23日に2022年12月期の連結純利益見通しを前期比19%増の170億円と従来予想(155億円)から上方修正し、年間配当予想を引き上げたことが材料視された。

この日の東証プライム市場の値上がり率ランキングで10位だった。22年12月期は主力の文房具用品事業が海外市場で堅調に推移したほか、円安が会社の想定以上に進行したことが収益の押し上げにつながった。楽天証券経済研究所の土信田雅之氏は「同社のボールペンは外国人観光客もよく買っており、インバウンド(訪日外国人)需要の恩恵も受けている」と指摘する。
業績予想の修正を踏まえて、年間配当見通しを90円と従来計画から10円増やした。
予想PER(株価収益率)は11倍台と、東証プライム全体(13倍台)と比べ多少割安感があるのも意識されている。ただ「文房具はデジタル化の波もあり、ヒット商品が出にくい。このところ目立つ円高が進行すると来期業績へのリスクとして意識される」(岩井コスモ証券の清水範一氏)との指摘があった。

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