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東京市場 地銀連合で対抗 横浜・きらぼし、中小向け提携

横浜銀行ときらぼし銀行は26日、東京都と神奈川県での中小企業向け融資で業務提携すると発表した。新型コロナウイルス禍をきっかけに中小企業の事業再編や資本増強ニーズが高まると判断し、ライバル同士だが特定分野で手を組む。メガバンクが主導してきた東京市場の顧客争奪戦に地銀連合で対抗する。

提携の対象は中小向けのストラクチャード・ファイナンス(仕組み金融)と呼ぶ分野だ。具体的には、買収時に相手企業の資産や収益力を担保に融資するLBO(レバレッジド・バイアウト)ローンや、一部が資本に認められる資本性劣後ローンなどだ。

社会のデジタル化への対応や不採算事業の売却、事業承継を巡り、中小・中堅企業でも今後M&A(合併・買収)の案件増加が見込まれる。通常の融資に比べて専門性や複雑な手続きが必要な仕組み金融は、手間がかかる一方、高い収益性を見込める。両行とも2019年に専門部署を立ち上げ、本部を中心に営業力を底上げしてきた。

東京都はバブル期以降、メガバンクが中小企業マーケットに参入し、今では地銀の存在感は小さい。帝国データバンクによると、東京都のメインバンクシェアは三菱UFJ、三井住友、みずほの3メガが58%を握る。きらぼし銀は3%、横浜銀は1%にとどまる。横浜銀と同じグループの東日本銀行も1%程度。それぞれで対抗する存在になっていない。

一方、メガの主戦場は大企業。1件あたりの収益が小さい中小企業向けの重要度は地銀に比べて低い。小規模事業者向けには東京都だけで信用金庫が23、信用組合が19もある。「中間にあたる中小企業向けのサービスが抜け落ちてしまっている」(きらぼし銀幹部)

横浜銀ときらぼし銀は因縁深い関係にある。きらぼし銀の前身の一つ、八千代銀行は神奈川県の相模原市周辺に強く、横浜銀行はコンコルディア・フィナンシャルグループとして東京都に本店を置く東日本銀行と同じグループだ。現場では競争する相手だが、成長市場になり得ると見て、手を組むことにした。

東京市場には他の地域銀行もそれぞれしのぎを削っている。こうした地銀とも今後、提携する可能性がある。

近年、非競争領域で手を結ぶ業務提携も相次いでいる。スマートフォンアプリの共同開発やATMの相互開放、証券業務などが中心。今回の提携は地銀の本丸である中小企業向け融資で手を組む点で珍しい。(上田志晃)

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