資本主義の変異・東大生の株本… 今読むべきお金の本
今読むべきお金の本(7)

中国の台頭とパンデミックで激変する資本主義の行方

米バイデン政権が新型コロナウイルス対策として打ち出した大規模な経済政策は、新自由主義との決別を意味すると著者。米国を「経済政策の静かなる革命」へと駆り立てるのは、コロナによるパンデミックと、軍事・非軍事問わず多様な組織や手段を巧みに用いる「ハイブリッド軍国主義」で台頭する中国。
これらがもたらす世界の構造的な変化によって、資本主義は劇的に変異を遂げつつあると指摘する。激変する資本主義を多元的なアプローチから考察。日本が直面する「残酷な世界」の深層を洞察する。
中野剛志著 / ダイヤモンド社 / 1980円(税込み、以下同)
デジタル資産の最前線と可能性を詳説

デジタルデータに資産価値を持たせるNFT(Non-Fungible Token=非代替性トークン)の市場が急成長している。アート、ゲーム、音楽などNFTを活用したビジネスの全体像や法的論点、金融規制について解説。NFT事業の未来も展望する。
天羽健介、増田雅史編著 / 朝日新聞出版 / 1980円
税と会計の知識を分かりやすく解説

共に収入のある夫婦が娘を扶養親族にする場合、父と母どちらの扶養親族にする? 税務調査で領収書のコピーを要求されたら、コピー代は請求できる? 中小企業の経営者に役立つ税と会計の知識を漫画とイラストを交えて楽しく解説。節税と経営のヒントが満載。
高橋浩之著 / 合同フォレスト / 1650円
多難な時代にあっても活躍し続ける人の条件

欧米と比較して日本のビジネスパーソンに大きく欠落しているのは、①投資知識②国際コミュニケーション能力③情報通信技術知識④会計知識⑤税務知識――だと著者。これらのリテラシーを磨くために習得しておくべき基礎知識や留意ポイントを解説。活躍し続ける人材になるための付加価値の高め方を説く。
近藤章、石田正著、池口祥司編著 / 生産性出版 / 1980円
個人投資家がプロに勝てるフィールドとは?

外資系ヘッジファンドで20年にわたりポートフォリオマネジャーとして活躍する著者。2019年に東大金融研究会というサークルをつくり、900人の大学生に株と金融の仕組みを教える。「株式投資はある程度論理的なもの」と指摘する著者が、ロジカルで再現性の高い投資法や銘柄の選び方を対話形式で指南。
伊藤潤一著 / SBクリエイティブ / 1650円
学びを重ねることでやりたいことが見えてくる

第2の仕事人生に思いを巡らすものの、やりたい仕事がイメージできないなら、興味のあるテーマについて学ぶことから始めるのも手。学び戦略の立て方や自己分析の手法、やりたい仕事に近づく8つのステップを提示。学びでやりたい仕事を見つけた人の実例も。
著者はリクルートで「リクナビ」や「ケイコとマナブ」などの編集長を経て、人材育成会社を設立。2011年から青山学院大学兼任講師も務める。
前川孝雄著 / PHP研究所 / 990円
[日経マネー2022年2月号の記事を再構成]
著者 : 日経マネー
出版 : 日経BP (2022/3/19)
価格 : 750円(税込み)
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「お金のことを本でも学びたいけど、たくさん出ていてどれを読んだらいいか分からない」。初心者の方からよく聞く話です。そこでこのコーナーでは「お金×書籍」をテーマとして、今読むべきお金の新刊本や古典の名著などを紹介し、あわせてお金の本の著者にも読みどころなどをインタビューします。
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