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ブランド中古品の売買が活況 背景に円安、定価超えも

海外ブランドの中古品市場が活況だ。円安や物価高を背景に売買価格が上昇している。中には定価を上回る価格で買い取ってもらえる商品もあり、「家に眠っている不用品を売りたい」という人にとっては絶好のチャンスにも映る。買い取り価格はどれほど上昇しているのか。また、どのような商品が高く売れているのか。海外ブランド中古品の現在の買い取り事情を探った。

「中古品の買い取り査定を約15年行ってきたが、こんな状況は経験したことがない」。そう話すのは、ブランド品の宅配買い取りサービスを手掛けるブランディアの間宮慎介さん。海外ブランド品の一部の買い取り価格が、昨年末に比べて9カ月で20~40%も上昇しているのだ。

例えば、仏高級ブランドのシャネルが展開するチェーンバッグの定番シリーズ「マトラッセ」。ブランディアでは、昨年末には約25万円だったモデルの買い取り価格が、今年9月末には約35万円と、1.4倍に上昇した。

ブランド買い取り各社で価格が上昇

こうした値上がりは他社の買い取りでも見られる。ブランド品の買い取りを手掛けるなんぼやによると、仏高級ブランドのエルメスのバッグ「ケリー(28cm)」の未使用状態の買い取り相場は、今年9月末時点で約250万円。昨年末の約200万円から25%も上昇した。他にも、スイスの高級腕時計ブランド、ロレックスの「GMTマスター」の未使用状態の買い取り価格が、同期間で約122万円から約136万円に11%上昇しているという。

ブランド品買い取りのコメ兵でも同様だ。トゴ素材のエルメスのバッグ「バーキン(25cm)」の買い取りは、未使用状態であれば、21年末は約250万円だった。ところが、全く同じ物でも、22年9月末では約300万円と1.2倍になった。

コメ兵によると、時計や貴金属、財布など様々なアイテムの中でも、特に海外ブランドバッグの買い取り価格の上昇が目立つという。「バッグは幅広い年齢層に需要があることが理由かもしれない。買い取り品を販売する店舗の状況を見ても、特にバッグの売れ行きは好調だ」(同社)

物価高と円安が後押し

たった9カ月間でこれほど買い取り価格が急騰しているのはなぜか。理由の1つは、インフレに伴う定価の上昇だ。「素材価格の上昇、物流網の停滞、輸送運賃の上昇などの影響か、バッグや財布などあらゆるアイテムの定価の改定が絶えない」(コメ兵)

シャネルやクリスチャン・ディオールなど仏高級ブランド、イタリアの宝飾ブランドのブルガリ、ロレックスなど、今年に入ってから2回以上値上げを実施したブランドもあるという。新品の定価が上昇すれば当然、中古品の販売価格も連動して上昇する。その影響が、買い取り価格に反映されているのだ。

日本での定価上昇は他国に比べて著しいという。「急激に進んだ円安により、日本国内で販売されている海外ブランド品の定価が、他国から見て割安に映るようになった。そのためブランド側は、世界的な価格差を是正するために日本の値上げ幅を大きくしている面もあるのではないか」(ブランディア)

"定価超え"を狙いやすいブランドは

そうした中、使用済みの中古品でも定価を上回る価格で買い取られるケースもある。ただし、"定価超え"を狙える商品は一部の人気ブランドのものに限られる。コメ兵によると、バッグであればエルメス、時計であればロレックスやパテック・フィリップ、オーデマ・ピゲといったスイスの高級腕時計ブランドの一部アイテムは、定価を上回る価格で買い取られることが多いという。

バッグの中でもエルメスの買い取り価格が比較的高いのはなぜか。「職人による手作業で生産しているので以前から入手困難だったものが、コロナ禍でより一層流通量が減少し、さらに需給のバランスが崩れているためだと考えられる」(コメ兵)

とりわけ、昔からそのブランドを代表する、定番・アイコン的なモデルが高い価格で買い取られる傾向がある。例えば、エルメスであればバーキンやケリー、最近ではバッグの「ピコタン」も該当する。そのため、家に眠る中古品を売ろうか迷っている人は、「定番のアイテムだから高く売れないだろう」と諦めないことが大切だ。「海外ブランドの中古品買い取りで重要なのは、"希少性"よりも"商品の人気度"。『限定品であれば高く売れる』というわけでもない。むしろ、誰もが使いたがる、長く愛されている定番品のほうが、定価に近い価格や、それ以上の価格で売れる傾向が強い」(なんぼや)

より高く売りたいのであれば、持ち込みの際は購入時の箱や付属品など、売りたい商品に関連する物はできるだけ持参しよう。箱があっても必ずしも買い取り価格が上がるとは限らないが、「ロレックスは証明書の有無で買い取り価格が数十万円変わるケースがある」(間宮さん)というので要注意だ。

(大松佳代)

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