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逆風が強まる22年の米国株 投資妙味が生じる銘柄は?

米国株投資家もみあげの現地リポート(11)

S&P500種株価指数が68回も最高値を更新して2020年末から27%も上昇するなど、昨年の米国株は記録的な上昇相場となりました。騰勢は今年も続くのでしょうか。まずはここ1カ月余りの動向を復習しておきましょう。

ハイテク株への逆風が強まる

下のグラフをご覧ください。昨年11月末からの主要株価指数の推移を示したものです。S&P500とダウ工業株30種平均に比べて、ハイテク株の多いナスダック総合株価指数の下落幅が大きいことが見て取れます。

昨年11月末には、米連邦準備理事会(FRB)のジェローム・パウエル議長が米国の高インフレを「一時的」とする表現を撤回し、テーパリング(量的緩和の縮小)を加速する姿勢を示しました。そこで相場の流れが一変。大口の機関投資家やヘッジファンドが物色の対象をハイテク株からバリュー(割安)株に移し、バリュー株が意に反して下落した場合に備えてハイテク株を空売りしている。そんな様子がグラフから読み取れます。

ハイテク株が敬遠されているのは、22年に逆風が強まるという見方が大勢を占めているからです。次のリストは、ウォール街の「ご意見番」として知られる米投資ファンド大手ブラックストーン・グループのバイロン・ウィーン氏が、最高投資ストラテジストのジョー・ザイドル氏と共同で公表した22年の「びっくり10大予想」です。

びっくり予想の定義は、平均的な投資家が発生確率を3分の1程度とみるイベントで、ウィーン氏は5割以上と予想するもの。毎年市場関係者が注目しています。22年の予想では、インフレや利上げというハイテク株には逆風となるイベントが上位に並んでいます。

次の表は、国際政治学者のイアン・ブレマー氏が率いる政治リスク調査会社、米ユーラシア・グループが発表した22年の世界における10大リスクです。このリストからは、22年は米国内外で様々なリスクが深まり、株式市場のボラティリティー(変動率)が高まる公算が大きいことが想起されます。

ヘルスケアと不動産が有望

では、今年は米国株でどんな投資を展開すべきでしょうか。びっくり予想や10大リスクを踏まえると、銘柄選びのポイントとして次の項目が挙げられます。

①新型コロナウイルスの変異型による感染再拡大でロックダウン(都市封鎖)があっても、業績を伸ばすことができる

②巨大ハイテク企業に逆らうことなくうまく利用している

③強化が見込まれるインフレ対策の追い風を受ける

④利上げやインフレの影響を吸収するだけの強い需要がある

⑤米国内需が中心で、海外(特に中国)の売り上げが大きくない

これらのポイントを満たす企業が多い業種として、真っ先に思い浮かぶのはヘルスケアです。業績が安定し、海外収益への依存度が高くない米製薬大手のアボット・ラボラトリーズなどに投資妙味がありそうです。

次に有望な業種は不動産です。金利の上昇はマイナス要因ですが、インフレ対策として低金利のローンによる住宅の購入はまだ盛んです。不動産の個別企業の株を物色してもいいですし、不動産セクターのETF(上場投資信託)も選択肢になるでしょう。私自身は、米資産運用大手のステート・ストリート・グローバル・アドバイザーズが運用する不動産ETFで、需要が拡大しているデータセンターを手掛ける企業を組み入れている「不動産セレクト・セクターSPDRファンド(ティッカーはXLRE)」に注目しています。

【今回のポイント】今年の米国株は変動率が大きくなる。業種の絞り込みが必要

もみあげさん
米国駐在中の会社員投資家。2018年から米国の成長企業の個別株とETFを売買。運用資産1400万円を4000万円まで増やす。個人投資家に人気のブログ「もみあげの米国株投資」のURLはhttps://www.momiage.work/。20年10月には著書『もみあげ流 米国株投資講座』(ソーテック社)を出版した。
イラスト/じゅんぺい@macsJUM

[日経マネー2022年3月号の記事を再構成]

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