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株の売買ルールは厳守 「損小利大」を追求する

DUKE。さんの新高値ブレイク投資入門(下)

「45歳までに3億円」という目標を実現し、アーリーリタイアを果たしたDUKEさん(ハンドルネーム)。目標達成の原動力となったのが、「新高値ブレイク投資」と名付けた成長株投資法だ。元会社員のスゴ腕投資家が、基本と実践のポイントを3回にわたり分かりやすく解説する。最終回は、この投資法における銘柄売買のポイントを説明する。

新高値ブレイク投資の最大の特徴は、年初来高値や昨年来高値といった新高値を付けた銘柄を買って、さらに高値で売る点にあります。ですから、新高値を付けた時点で購入するのが基本です。

ですが、常にその時点で買えるわけではありません。新高値を付けた後に上昇の勢いが止まらず、大きく値上がりしてしまったり、銘柄を分析している間に急騰したりといったことがあるからです。

ボックス圏の底値付近で買う

こうした場合には、上昇が止まって再びもみ合い状態になるのを待ちます。そして、もみ合いで形成されたボックス圏の底値付近まで下がったら買います。底値付近まで下落するのに日数がかかることもあり、タイムロスが生じやすいという難点があります。その一方で、再び大きく上昇した時の売却益を大きくできる反転せずにボックス圏の底を割って損切りせざるを得なくなった時の損失を小さくできるといった利点があります。

ここで実践例を紹介しましょう。2020年6月のことです。中小企業や個人事業主向けに情報セキュリティー機器やOA関連商品を販売しているNo.1の株が急騰しているのに気付きました。

調べてみると、同年5月にプレスリリースが出ていました。情報通信機器を販売するエフティグループの子会社だったアレクソンの株を取得し、自社の完全子会社にするという内容です。No.1は、同じく情報セキュリティー機器の企画・販売を手掛けて開発力があるアレクソンを傘下に収めて、情報セキュリティー分野を強化するという計画でした。

アレクソンはNo.1よりも収益性が高く、「この会社を取り込めば、No.1の収益性も向上する」と思いました。ですが、急騰で株価が大幅に上がってしまったため、高値づかみになる恐れがありました。そこでボックス圏の底値付近まで下がるのを待ち、反転した後に購入したのです。

その後、No.1の株価は期待通りに上昇しました。買収効果を織り込んで算出した目標株価の1500円を超えた時点で売却し、買値の約2倍で利益を確定しました。

このボックス圏の底値で買うパターンは、市況が芳しくなくて相場全体が急落しやすい時に多用します。そうした状況では、有望な銘柄でも新高値を付けた後に価格上昇の勢いが続かず、ボックス圏の底を割ってしまうことが少なくないからです。

こうして損切りした銘柄でも、有望度が高いものは再び購入することもあります。このケースについては後述します。

損切りの徹底で大損を防ぐ

次は損切りについて説明します。損失が出ても売却するのは、①買値から10%下落した新高値を付けた後に形成したボックス圏の底を割った――の2つのケースです。ボックス圏の底と買値のギャップが10%を超えている場合には、10%下落した時点で損切りします。逆に、ボックス圏の底と買値のギャップが10%未満の場合には、底割れで損切りを実行します。

上に掲げたのは、化粧品やサプリメント(栄養補助食品)の製造・販売を手掛けるアクシージアでの実践例です。同社は21年2月に新規上場した新興企業で、中国のEC(電子商取引)サイトや美容サロン向けの販売が全体の約7割を占めています。

上場後の下落に歯止めがかかって反転し、公開価格を上回った時点で打診買いしたのですが、ボックス圏の底である1600円を割ってしまったので損切りしました。損失は買値の約8%です。その後は下落の一途をたどり、いっときは約半値の804円まで下がりました。損切りを徹底したことで大きな損失を免れたわけです。

このように2つのケースで損切りすることを原則としていますが、まれに下落幅を15%まで許容することがあります。それは、2~3倍高を必ず狙えると確信を持った銘柄の場合です。

このケースでも、最初の購入は全資金の5分の1程度にとどめ、少しずつ時間をかけて買っていきます。そうすることで下落した時の損失を少なくするようにしています。

損切りした後に再購入も

続いて先に言及したように、いったん損切りした後に再び購入して、大きな売却益を上げた例を紹介しましょう。売買したのは、フィギュアやプラモデルなどのホビー関連商品を製造・販売する寿屋の株です。

米国映画「スター・ウォーズ」や日本の人気アニメ「鬼滅の刃」の版権を得てキャラクターのフィギュアを販売しており、自社オリジナルキャラクターの「フレームアームズ・ガール」や「メガミデバイス」のフィギュアが海外でヒットしています。業績も急拡大していて、決算予想の上方修正を繰り返しています。

私はこの銘柄をまず21年10月8日に購入しました。年初来高値を更新して大きく上昇した後に反落し、ボックス圏の底に当たる3000円付近まで下がってきたからです。「3000円がサポートライン(下値の支持線)となり、再び上昇するだろう」とみて購入に踏み切ったのです。

ところが、反発した後にすぐにまた下がり、3000円を割り込んでボックス圏の底を抜けてしまいました。それでいったん損切りしました。

しかし、そこから下げ止まったので、「22年6月期決算予想の上方修正が出れば、大きく上昇する可能性がまだある」と考えて再購入しました。思惑通り11月12日に上方修正が発表されて、株価は大きく跳ね上がりました。

その後、12月に入って大きく上昇した時に全て売りました。まだ上昇が続く可能性はあると思いましたが、相場の地合いが悪いことを考慮したのです。米連邦準備理事会(FRB)が米公開市場委員会(FOMC)でテーパリング(量的緩和の縮小)の加速を決定し、それを受けて相場全体が下落し、個人投資家の多くが損失を被ったとみられる状況でした。

寿屋株は流動性が低いので、反落した時に売ろうとしても買い手が付かず、大きな損失を被りかねません。相場が良い時には持ち続けて天井を付けた後に売ることを考えますが、地合いが悪い時には無理せず売って利益を確定します。これも損失を少なくする工夫です。

さて、これで講義は終了です。読者の皆様の参考に少しでもなっていれば幸いです。

今回のまとめ 売買の判断では、損失を最小限にすることを常に考える

[日経マネー2022年3月号の記事を再構成]

日経マネー 2022年3月号 持ちっぱなしで資産が増える 高配当株&優待株
著者 : 日経マネー
出版 : 日経BP (2022/1/20)
価格 : 750円(税込み)
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