三井住友、米国でネット銀行参入を発表 まず個人ローン

三井住友フィナンシャルグループは24日、米国でネット専業のデジタルリテール銀行「ジーニアス・バンク」を2023年に立ち上げると発表した。スマートフォンやパソコンを通じ、まず個人に対して無担保ローンや預金などのサービスを提供していく。大半の従業員はリモート勤務で、金融サービスの設計から提供までデジタルで完結する環境を整える。
三井住友銀行傘下でカリフォルニア州ロサンゼルスのマニュファクチャラーズ銀行が新部門としてジーニアス・バンクを立ち上げる。新事業を始めるため、マニュファクチャラーズ銀に1億5000万ドル(約200億円)を追加出資した。
銀行システムは米金融サービス大手のフィデリティ・ナショナル・インフォメーション・サービシズ(FIS)などと開発する。店舗を想定しないデジタル金融に特化したシステムで初期投資を抑える。事業が拡大すればマニュファクチャラーズ銀へのさらなる出資を検討する。
ロサンゼルスのほか、ノースカロライナ州シャーロットやアリゾナ州フェニックスなどに技術拠点を置き、従業員の大部分は原則リモート勤務となる。全米から人材を集め、300人規模の体制にする方針だ。
店舗を持たないため、スマホアプリなどの設計に集中投資する。顧客データを活用し、結婚、住宅購入、子どもの進学などライフイベントに沿ったローンや貯蓄預金、運用商品などを提案していく方向だ。
三菱UFJフィナンシャル・グループは米個人向け金融からの撤退を決めており、邦銀では三井住友が唯一、米リテール市場に進出する銀行になる見通し。