インデックス型ファンド、残高シェア25%突破
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投資信託市場でインデックス型(指数連動型)の純資産残高が増えている。国内公募の追加型株式投信(上場投資信託=ETF=を除く)全体に占める残高シェアを月末ベースでさかのぼると、10年前に約9%だったのが2022年10月末に25%を超え、その後も高水準を維持している(図表1)。

インデックス型の残高は今年12月16日時点で22.2兆円となり、21年末から3.5兆円増えた。一方でアクティブ型(積極運用型)は63.7兆円でインデックス型を大きく上回るものの、昨年末から4.7兆円減少しシェアを落とした。
国内公募の追加型株式投信(ETF、ラップ専用を除く)を対象に、年初来の資金流入額(推計値、12月16日時点)をランキングしたところ、トップ5のうち4本をインデックス型が占めた(図表2)。4本とも積み立て型の少額投資非課税制度(つみたてNISA)対象のファンド。そのなかでも「eMAXIS Slim 米国株式(S&P500)」は7000億円を超える資金が流入し、ダントツだった。残高もアクティブ型の「アライアンス・バーンスタイン・米国成長株投信Dコース毎月決算型(為替ヘッジなし)予想分配金提示型」に次ぐ2番目の大きさで、来年には順位が逆転しそうな勢いだ。

3~5位もつみたてNISA対象のインデックス型で、これら4本だけで年初来の資金流入額の合計は1.6兆円を超える。不安定な相場下でも低コストのインデックス型を活用して積み立て投資をする資産形成層が増えてきており、24年から拡充され新しくなるNISA制度もこうした動きをさらに後押ししそうだ。
アクティブ型で年初来の資金流入額が最も多かったのは、2位の「アライアンス・バーンスタイン・米国成長株投信Dコース毎月決算型(為替ヘッジなし)予想分配金提示型」。米国のグロース(成長)株が変調をきたすなかでも資金流入が続いたが、約4500億円の資金流入額のうち大半を今年前半に稼ぎ、後半はかなりしぼんでいる。
月次の資金流入額をアクティブ型とインデックス型に分けると、21年はほとんどの月でアクティブ型が上回っていたが、今年に入ってからはインデックス型が上回る月が増えている(図表3)。

(QUICK資産運用研究所 石井輝尚)