G20財務相会議が開幕 新興国の債務問題など協議

【ベンガルール=三島大地】20カ国・地域(G20)財務相・中央銀行総裁会議が23日、インド南部のベンガルールで開幕した。欧米の利上げで深刻さを増す新興国の債務問題について議論する。議長国インドが模索する、新興国の債務減免が実現するかが焦点になる。
日本からは鈴木俊一財務相と日銀の黒田東彦総裁が出席。黒田総裁は4月に任期満了を迎えるため、G20に参加するのは最後の機会となる見通しだ。米国からはイエレン財務長官が参加する。
欧米の急速な利上げで新興国の債務負担が高まっている。24日には債務問題に関する会合も予定されている。ロイター通信によると、インドは債務国の財政負担軽減に向けた提案書の作成を探っている。
国際通貨基金(IMF)の推計では、23年の世界の経済成長の82%を新興国が占める。インドなど新興国の発言力が見込まれる一方、債務減免の実現には多くの債権を抱える中国の同意が必要となりハードルは高い。
会議では暗号資産(仮想通貨)規制や気候変動への対応も協議する。ウクライナ支援でもG20として協調した姿勢を示したい考えだ。
イエレン氏は23日に開いた記者会見で「中国を含む公的債権者が苦境にある途上国や新興国に対して意味のある債務処理に参加するよう引き続き働きかけていく」と語った。
もっとも、ウクライナ侵攻を続けるロシアへの対応をめぐり、G20参加国の間には隔たりがある。インドネシアが議長国を務めた22年4月、7月、10月のG20では共同声明が出せなかった。
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