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値上げ?値下げ? 2022年の家計負担は

2022年 マネーの世界の変化予想(1)

明けましておめでとうございます。今年もMoneyとLifeの関係について考えていきたいと思います。よろしくお願いします。

1月は2022年のお金にまつわるテーマをいくつか予測してみたいと思います。最初のテーマは家計に密着した「値上げ」問題です。

ガソリンだけではない 相次ぐ値上げ 

22年、個人にとっての一番の心配は「値上げ」でしょう。この数カ月でもっとも話題となっている値上げのニュースといえばガソリン代です。21年のガソリン代の値上げは著しく、執筆時点では1リットルあたり170円をうかがう水準で推移しています。

同様に灯油の値段も高くなっており、厳冬予想もある中、家計の負担が心配されるところです。一部の地方自治体などでは、助成金の検討も行われているとか。

値上がりしているのはガソリン代だけではありません。試しに日経新聞電子版で「値上げ」で記事検索をすると、牛丼、ハム、クリスマスケーキやおせちの食材の値上げといったニュースが次々ヒットしてきます。食品や日用品についてはじわじわ値上げが続いています。

検索結果を他にも見ると、工業製品の部材などの値上げニュースも見受けられます。直接的には消費者に影響しないように見えますが、中長期的には価格に転嫁されてくることは間違いないでしょう。

今起きている値上がりが、一時的なものにとどまりまた落ち着くのか(ガソリン代がまた下がることはありうる)、それとも継続的な値上がりの序章なのか(食品や日用品の値上がりは不可逆である可能性が高い)、それはまだわかりません。

しかし、22年は「モノの値段」により敏感になっていきたい年となりそうです。

そして、物価の上昇に必ずしも春の賃上げが対応してくれるとは限りません。家計管理においては気を引き締めて支出の推移を注視していくべきでしょう。

値上がりどころか値下がりした分野も

ところで、すべての分野で値下がりの余地がないというわけではありません。例えばここ数年では投資信託の信託報酬(運用管理費用)が大幅に値下がりしました。積み立て型の少額投資非課税制度(つみたてNISA)の創設に伴い、投資信託市場の拡大を見越して手数料引き下げ合戦が始まったからです。

国内外に分散投資されるバランス型ファンドの運用コストは20年前なら年2.0%でもおかしくなかったところ、今では年間0.2%台の水準まで値下げ競争が進みました。私たちがiDeCo(個人型確定拠出年金)やつみたてNISAを通じて投資をする環境は「値下げ」されてきたといえます。

また、イノベーションや規制緩和の恩恵が生じているジャンルもあります。例えばAndroidスマホでは、国内シェアを奪還中のソニーグループ、ここ数年トップに君臨していたシャープが発売するミドルレンジスマホなどは機能を考えると割安です。

割高なiPhoneに対して4万~5万円台で遜色ない動きをします。SIMフリー機種が原則となったり、仮想移動体通信事業者(MVNO)サービスが拡大したりしたのは規制緩和のたまものです。さらに21年春の大手通信会社の格安プランの登場により通信費の引き下げが実現しました。

同水準のサービスを低コストで享受できるというのは家計にとって大きな助けです。そうした分野では、賢くメリットを享受し、値上げ時代を乗り切る力としたいところです。

「サービス」が有料化 「現金入金手数料」に注意

私たちは長らく「サービス=無料」というイメージを持ち続けてきました。一方で、「サービス=有料」という動きも起きています。

20年12月から、NTTドコモはドコモショップでのスマホアプリの初期設定や引き継ぎの一部について有料化しています。ドコモ系のQRコード決済「d払い」の初期設定などは無料ですが「LINE」「Twitter」「Instagram」「Facebook」「メルカリ」「モバイルSuica」といった人気サービスのインストールや初期設定については1アプリ1650円がかかります。

金融機関のサービスでも、「小銭預かり」の手数料がかかる傾向にあります。もともとATMでの振り込みより窓口振り込みのほうが割高になるような差別化を図ってきましたが、両替や小銭の預かりについても手数料を設定するケースが増えているのです。

ゆうちょ銀行では22年1月17日から窓口での硬貨取扱手数料、ATMでの硬貨預け払い料金を設定します(窓口は50枚までは無料)。特にATMでは「小銭の入金」だけではなく「小銭の出金」にも手数料がかかる設定となっています。「現金で支払う会費等の端数もATMでおろしておこう」と思ったら110円の手数料がかかってしまうことがあるわけで、思わぬ手数料には注意が必要です。

「サービス=有料」というのも値上がり時代の一側面となりそうです。

家計引き締めとキャリアアップの2段構えで備え

21年はコロナ禍で家計の引き締めに気を配った人が多かったと思います。収入の見通しが不安定であったり、実際に年収減となったりした人はかなり真剣に節約に挑んだのではないでしょうか。

今年は、モノの値段の上昇に気をつかいつつ、しっかり家計を引き締め続けていくことが家計管理のポイントとなりそうです。コロナの感染拡大傾向は一段落したとホッとして、ついつい財布が緩みがちな時期でもありますが、散財やムダ遣いが過ぎることのないようにしていきましょう。

キャッシュレス決済の利用が増えている今、家計簿アプリなどでお金の流れを「見える化」することが効果的です。

また、今の会社でのキャリアアップ、転職の可能性についても「年始の計」を立ててみましょう。雇用が安定しているおり業績も好調な他業種に移るのもひとつの選択肢です。

こちらもスマホのアプリで情報収集するだけなら、こたつの中でもスタートできます。通勤時間にあえて違う会社に移る可能性を模索してみるということも年に1度くらいは考えてみてもいいでしょう。

年始から厳しめの話題となりましたが、22年も簡単な年にはならないと思います。しっかり日々の消費と向き合ってみたいものです。

◇  ◇  ◇

FP山崎のLife is MONEY」は毎週月曜日に掲載します。

山崎俊輔(やまさき・しゅんすけ)
フィナンシャル・ウィズダム代表。AFP、消費生活アドバイザー。1972年生まれ。中央大学法学部卒。企業年金研究所、FP総研を経て独立。退職金・企業年金制度と投資教育が専門。著書に「読んだら必ず『もっと早く教えてくれよ』と叫ぶお金の増やし方」(日経BP)、「日本版FIRE超入門」(ディスカバー21)など。http://financialwisdom.jp
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