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ダブルボーナスの使い道 家計を大きく変える力

ボーナスの使い方(4)

写真はイメージ=PIXTA

今月はボーナスについて考えてきましたが、最後は「ダブルボーナス」の活用についてです。

結婚をして共働き(正社員)だと2人分のボーナスをもらえることになりますが、これをどう生かすかは、家族のマネープランを大きく変えていきます。ダブルボーナスなのに、それぞれ好き勝手に使ってしまう、なんてことはあってはなりません。

正社員共働きのダブルボーナスはインパクト大

結婚後も働き続ける共働き世帯が増えています。また正社員で働き続ける女性も増えています。

寿退社を会社が促したり、子育てのために不本意ながら仕事を辞めざるを得なかったりすることは過去の遺物となりつつあります。本人が希望すれば、産休・育休を取得しながら、あるいは時短勤務で復職をしながら、働き続けることが可能です。

この「正社員共働き」はマネープラン上も大きな意味があります。まず合計所得が飛躍的に高まります。パートやアルバイト、派遣社員と比べて正社員の月給は高く設定されていることが多いですが、年収で大きく差がつくのはボーナスです。そのボーナスをダブルで受けられることになります。

仮に月25万円の給与として、2カ月分のボーナスが支給されたとします。単身なら50万円ですが、夫婦なら100万円です。この差は大違い。実際の支給額はそれぞれの働き方や会社によって違ってきますが、給与がより高い、支給月数がより多い場合、ダブルボーナスの合計額はもっと高くなることもあるでしょう。

この「ダブルボーナス」をどう生かしていくかが共働き夫婦の重要な課題です。

毎月の赤字家計をボーナスで補う綱渡りから脱出を

共働き正社員夫婦がしばしば陥りがちなのは、月収でやりくりできない支出が毎月あり、ボーナスでこれを補塡する「綱渡り家計」です。

2人とも仕事に忙しい中、家計管理がルーズになってしまい、毎月の赤字が恒常的になっていて、ボーナスで一息つくような状態に陥っていることがあります。

外食率が高かったり、ストレスでの散財が増えたり、理由は様々ですが、もしも家計が綱渡り状態に陥っているなら、負の連鎖を断ち切ることがまず今年のボーナスでの課題です。

なぜ綱渡りが危ないのかというと、「業績悪化のため、ボーナス支給額がゼロ」のような通知が次のボーナスでやってくるかもしれないからです。そうなると、家計は綱の上から転落、奈落の底に真っ逆さまです。

夫婦の合計所得でやりくりできるように、家計の水準を抑えていくことが大切です。そして、来月以降は単月の収支を整える生活にしていきます。

今夏のボーナスも残して不足の可能性に備えます。今月最初の週で紹介したように「向こう半年の臨時支出用予算」を確保しておくのです。

資産形成、ローン返済…ボーナスを一気に使え

堅実にやりくりできている夫婦であれば、ボーナスは未来の安心や夢をたぐり寄せる力として活用したいものです。

ダブルボーナスについて、きちんと夫婦で支給額を話し合い、その使い道を考えていきます(隠してはいけません)。夫婦で支給額が異なるのは当たり前なので「合計して使い道を考える」ことが大切です。

将来の目標についてはできるだけ具体的に話し合って(家を買いたい、とか子どもの学費準備を始めよう、のように)貯蓄目標を設定します。一度話し合えば、次回のボーナス以降は悩まずにためられるようになります。まずは一度、話し合いの時間を取ってみてください。

ローンの返済を早めるのも一考です。こと住宅ローンに関しては超低金利ですから繰り上げ返済を焦らなくてもいいかもしれませんが、返済終了を70歳以上に設定しているなら返済計画の見直し(返済期間の短縮、定期返済額の増額)について検討してもいいでしょう。もちろん、それ以外の高金利のローン残債があるようなら、まとめて返しておきます。

家計を見直そうと真剣に考え直したとき、あるいは資産形成を進展させようと考えたとき、ダブルボーナスは一気に状況を改善する大きな力となります。年に2回のチャンスを生かしてみてください。

ボーナスで買う「満足」「幸せ」 年に2回考えてみよう

さて、今月はいろんな角度からボーナスについて考えてきましたが、この大きな収入を有意義に使うことがあなたや家族のLife is MONEYに大きく影響してくることが分かったと思います。

ボーナスをドライに考えれば、年収の一部を夏と冬にまとめてもらっているにすぎません。しかし、その「まとめてもらう」ことでマネープランが大きく変わってきます。

独立開業をしてみると、ボーナスのありがたみがよく分かります。年金生活者も、ボーナスがもらえないことで家計管理に苦労することがあります。ボーナスがもらえる立場であるうちは、独身の人であっても、ご夫婦であっても、上手に活用したいものです。

すでに指摘しましたがボーナスを使って「満足」や「幸せ」をきちんと手に入れられているか、しっかり考えてみましょう。衝動買いなどは、お会計の瞬間だけ満足感を味わうだけで、後に何も残りません。

貯蓄するのもただガマンしているわけではありません。将来の安心や幸せを手に入れるための手段であるからこそ、ボーナスを残しておくわけです。

また、年に2回くらい、家計や将来のマネープランを考えるきっかけにするのもいいでしょう。毎日忙しいなか、お金についてじっくり考える暇はなかなかないものです。ボーナス支給日をお金のことを考えるきっかけにしてみたいところです。

◇  ◇  ◇

FP山崎のLife is MONEY」は毎週月曜日に掲載します。

山崎俊輔(やまさき・しゅんすけ)
フィナンシャル・ウィズダム代表。AFP、消費生活アドバイザー。1972年生まれ。中央大学法学部卒。企業年金研究所、FP総研を経て独立。退職金・企業年金制度と投資教育が専門。著書に「読んだら必ず『もっと早く教えてくれよ』と叫ぶお金の増やし方」(日経BP)、「大人になったら知っておきたいマネーハック大全」(フォレスト出版)など。http://financialwisdom.jp

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