派遣時給が過去最高 11月1.9%高、ゲーム系など求人増

人材サービス大手のエン・ジャパンが21日発表した11月の派遣社員の募集時平均時給は、三大都市圏(関東・東海・関西)で前年同月比31円(1.9%)高い1636円だった。過去最高だった2021年12月(1632円)を上回った。
同社の求人情報サイト「エン派遣」の情報をまとめた。職種別ではデザイナーなど「クリエイティブ系」が144円(7.5%)高の2073円と3カ月連続で過去最高となった。家庭用やアプリなどのゲーム需要が伸び、ゲーム系求人で高時給案件が目立つ。ゲームの発売に向けて、採用を強化する動きもみられるという。
事務職などの「オフィスワーク系」は15円(1.0%)高の1592円となった。中でも「英文事務」は1823円と43円(2.4%)高い。海外事業でのM&A(合併・買収)や外国籍人材の採用業務など、難易度が高いサポート業務で高時給の求人が出ている。「IT系」は83円(3.5%)高の2435円となった。
エン派遣の中島純・事業責任者は「大手派遣会社では、例年4月入職に向けた未経験者の募集を1~2月に一斉に始める。今年は人手不足を背景に、中小の派遣会社が大手との競合を避けて、募集時期を早めるケースも想定される」と話す。
同業大手ディップが同日まとめた11月の派遣社員の募集時平均時給(三大都市圏)は前年同月比60円(4.0%)高の1555円だった。4カ月ぶりに過去最高を更新した。季節需要が増えた「事務・オフィス系」や「工場・軽作業・物流・土木系」が過去最高となり、全体を押し上げた。