邦銀の海外投融資、22年3月末で5兆216億ドル 過去最高

日銀が20日発表した国際決済銀行(BIS)の統計によると、2022年3月末の邦銀の国際与信残高は5兆216億ドル(約677兆円)と、21年末から1151億ドル増加した。増加は3四半期連続で、過去最高を記録した。米国株が上昇し、運用している投資ファンドの評価額が増加した。米金利の上昇で米国債の売却は進んだ。

BISは世界31カ国・地域の国際与信(最終リスクベース)を四半期ごとにまとめており、邦銀については日銀が集計する。銀行の国内本支店から海外への貸し出しのほか、国債や社債、株式など海外への証券投資も含む。邦銀の海外支店から海外顧客への貸し出しも対象となる。
相手先の地域別の内訳をみると、先進国(米国など)向けが2兆4848億ドル、先進国(欧州)向けが1兆718億ドルだった。国別では、ロシア向けの与信が21年末から18億ドル減少し、80億ドルとなった。ロシアのウクライナ侵攻を背景に、投資信託に組み入れられていたロシア関連資産の売却・減価がみられたことや、ロシアでの銀行間取引の減少が影響したとみられる。
日銀があわせて発表したBISの国際資金取引では、国内所在銀行(海外銀行の日本支店などを含む)の対外債権から債務を引いた残高は3兆313億ドルと、3四半期連続で増加した。
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