物価の基調指標1.1%上昇、13年ぶり高水準 緩和は維持

日銀は26日、金融政策の判断材料の一つとしている物価指標を公表した。物価の基調を示す3月の「刈り込み平均値」は前年同月に比べ1.1%上昇した。2008年10月に1.1%上昇となっており、13年5カ月ぶりの高水準となった。
日銀は総務省が発表している消費者物価指数のうち、変動の大きい生鮮食品を除く総合指数を最も重視している。この指数の上昇率が安定的に2%になるように金融政策を動かしている。3月は前年同月に比べて0.8%上昇した。原油価格の高騰で電気代やガス代が上昇したほか、食料品も上がった。携帯電話料金の引き下げによる特殊要因を除くと、上昇率は2%を超える。

刈り込み平均値が上昇した背景には、エネルギー以外にも食品など値上げの品目が増えたことがある。
ただ、別の指標である3月の物価変動の「加重中央値」は0.2%だった。加重中央値は統計が遡れる01年以降で最高でも0.2%、22年に入ってからも0.1~0.2%程度で推移している。
米国でもクリーブランド連銀が物価の刈り込み平均値を発表している。3月時点で6.1%と日本との差は大きい。米国では経済が新型コロナウイルス禍の落ち込みから回復しており賃金も上昇しているが、日本では需要の回復も賃上げの動きも鈍い。
現時点では日銀に金融政策を変更する意図はなさそうだ。黒田東彦総裁は22日のコロンビア大主催のイベントで、足元のコスト主導型の物価上昇について「持続力を欠く」と述べ、「金融緩和を継続することで問題ない」と強調した。
刈り込み平均値
日銀が毎月公表しているインフレ率の基調を把握するための指標の一つ。総務省が発表している消費者物価指数のうち、上昇率と下落率の上位10%の品目を除いて算出する。変動の大きい品目を取り除くため、物価上昇が一部だけでなく幅広く起きているか確認することができる。
日銀は金融政策を決める際、物価の基調も含めた幅広い指標を判断材料にしている。日銀が公表している基調物価の指標には、ウエートを加味して物価上昇率の高い順に品目を並べたときにちょうど真ん中に位置する「加重中央値」、物価上昇率ごとに品目を分類したときに品目数が最も多くなる「最頻値」などもある。
日銀が毎月公表しているインフレ率の基調を把握するための指標の一つ。総務省が発表している消費者物価指数のうち、上昇率と下落率の上位10%の品目を除いて算出する。変動の大きい品目を取り除くため、物価上昇が一部だけでなく幅広く起きているか確認することができる。
日銀は金融政策を決める際、物価の基調も含めた幅広い指標を判断材料にしている。日銀が公表している基調物価の指標には、ウエートを加味して物価上昇率の高い順に品目を並べたときにちょうど真ん中に位置する「加重中央値」、物価上昇率ごとに品目を分類したときに品目数が最も多くなる「最頻値」などもある。
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