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住まいを買うとかかる費用は 税・手数料・雑費も大きい

20代からのマイホーム考(25)

住まいの購入にあたっては、住まいそのものの売買代金以外にも様々な費用がかかります。どの程度かかるのかをきちんと想定した上で購入予算を検討しないと、結果的に無理な借り入れにつながることもあります。今回は、東京都内の某所に中古の戸建て住宅を購入する事例から住まいの取得費用がどの程度かかるかみていきましょう。

取得費用は売買代金の7~8%程度に

次の表は、この事例において買い主が不動産売買契約時、住宅ローン契約時、決済時、決済後において支払うお金をまとめたものです。

不動産売買契約時には、決済時に売買代金の一部となる手付金、不動産仲介会社への仲介手数料(売買代金×3%+6万円および消費税)の半分、不動産売買契約書に貼る印紙代(売買代金によって金額は変わる)を支払います。

売買契約を結んだら、金融機関で住宅ローンの契約手続きを進めます。このとき、金銭消費貸借契約書(住宅ローン契約書)に貼る印紙代(借入額によって金額が変わる)と融資事務手数料がかかります。融資事務手数料は金融機関によって異なりますが、本事例ではメガバンクでみられる水準(借入額×2.2%)としています。

決済時には、住宅ローン3900万円で残代金を支払うとともに、固定資産税等精算金を支払います。これは、この中古戸建てにかかる固定資産税と都市計画税合計額(12万7500円)の日割り分〔買い主保有日数185日(6月30日~12月31日)÷365日)〕です。また、所有権移転登記にかかる登録免許税〔土地固定資産税評価額×1.5%+家屋固定資産税評価額×0.3%(中古マイホームの軽減特例適用)〕や抵当権設定登記にかかる登録免許税(借入額×0.1%)、これらの手続きを委託する司法書士への報酬(筆者が関わった事案の平均的な金額を使用)を支払います。またこのタイミングで不動産仲介会社に仲介手数料の残りの半分を支払うことになります。

決済後には、引っ越し費用のほかに、中古住宅を掃除してもらうためにハウスクリーニングを業者に依頼することがあります。この費用も筆者が関わった事案の平均的な水準を使用しています。なお、不動産を取得した場合、一般に不動産取得税がかかりますが、個人が自己居住用の中古住宅と土地を同時に取得した場合、一定の条件を満たせば軽減制度が適用されます。本事例ではこの軽減制度が利用できたため、不動産取得税はかからないこととしています。

この表のうち手付金と残代金以外が、住まいを購入する際の費用です。本事例の場合、その合計は292万7123円で、売買代金の7%強となっています。家具などを新調すれば8%程度ということになるでしょう。なお、新築住宅には仲介手数料はかかりませんが、販売価格の中に、販売会社に支払う販売手数料や広告宣伝費が含まれています。ですから「新築のほうがお得」という話は必ずしも事実ではありません。

取得費用を考えた資金繰り計画を

今回の事例をみれば、300万円弱の費用がかかることは理解できますが、現実には4000万円の住まいを購入するにあたり、100万円の自己資金があれば購入できると誤認してしまう方が多いのです。「100万円あればマイホームが買えますよ」というセールスに乗せられてしまい、結果的に取得費用も含めた4200万円ものお金を借りてしまい、後々返済が厳しくなってしまうということもあるのです。ですから、事前に取得のための費用がどの程度かかるか理解し、借入金は余力をもって返済できるものなのか、その場合に必要な自己資金はどの程度なのかを確認する必要があるのです。

住宅を購入した後は、住宅ローンの返済以外に、固定資産税と都市計画税の支払いが続きます。建物も時間の経過とともに劣化しますので、一定の修繕費用をためておく必要もあります。住宅資金以外にも教育資金、老後資金も確保しなければなりません。取得費用を事前に確認し、無理のない借り入れを検討することはとても重要なのです。

田中歩(たなか・あゆみ)
1991年三菱信託銀行(現・三菱UFJ信託銀行)入行。企業不動産・相続不動産コンサルティングなどを切り口に不動産売買・活用・ファイナンスなどの業務に17年間従事。その後独立し、「あゆみリアルティーサービス」を設立。不動産・相続コンサルティングを軸にした仲介サービスを提供。2014年11月から個人向け不動産コンサルティング・ホームインスペクションなどのサービスを提供する「さくら事務所」にも参画。

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住宅資金は老後資金、教育資金と並ぶ人生三大資金です。20代、30代から考えたい「失敗しないマイホーム選び」について不動産コンサルタントの田中歩氏が解説します。隔週月曜日に掲載します。

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