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日銀、物価見通し22年度1.1%に上げ 金融緩和は維持

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日銀は17~18日に開いた金融政策決定会合で2022年度の物価上昇率見通しを従来の0.9%から1.1%へと引き上げた。資源価格の上昇などを背景に企業が値上げに踏み切る事例が増えてきたことを反映した。日銀は持続的な2%の物価上昇目標には時間がかかるとみており、大規模な金融緩和は現状維持を決めた。

日銀が18日公表した「経済・物価情勢の展望(展望リポート)」では物価見通しについて「概ね上下にバランスしている」とした。これまで「下振れリスクの方が大きい」としてきたが判断を半歩前進させた。資源高の影響で、21年11~12月の企業物価指数の前年同月比の伸び率が8~9%へ急上昇。日銀は「(消費者物価にも)原材料コスト上昇の価格転嫁が予想以上に加速し、物価が上振れる可能性がある」と見通した。

22年度の実質成長率見通しも2.9%から3.8%へと上方修正した。21年10月以降の行動制限の緩和で個人消費が持ち直してきたほか、追加の経済対策も今後の景気を押し上げる。景気判断は「基調としては持ち直している」から「持ち直しが明確化している」へと引き上げた。

4月以降の物価上昇率は携帯電話通信料の引き下げの影響が弱まることもあり、民間予想では物価上昇率が2%に近づくとの見方も出ている。

ただ、最近の物価上昇はコスト高が起点だ。日銀内では賃上げが鈍いままでは物価上昇は長続きしないとの見方が多い。23年度の物価上昇率見通しも1.1%と、従来の1.0%から小幅上昇にとどめた。黒田東彦総裁は午後の記者会見で、2%の物価上昇には時間がかかり、金融緩和を粘り強く続ける方針を改めて強調する見通しだ。

年明け以降は、新型コロナウイルスの新しい変異型「オミクロン型」の感染者が急増。東京など首都圏4都県と愛知を含む中部3県は17日、新型コロナウイルスの「まん延防止等重点措置」の国への適用申請を決めた。岸田文雄首相は18日に関係閣僚と協議し、新たに11都県に適用する方針だ。

再び行動制限が強まれば、持ち直してきた消費にも水を差すことになる。海外発の意図せざる物価上昇は悩ましいものの、現時点では米欧のように金融緩和の早期修正論までは浮上しておらず、現状の緩和を続ける。

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