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日銀、景気判断を下方修正 大規模緩和は維持

(更新)

日銀は18日の金融政策決定会合で、大規模な金融緩和策の維持を決めた。ロシアのウクライナ侵攻をめぐり、資源高がもたらす影響を国内経済のリスク要因に明記した。米利上げによる円安の加速が企業収益や家計を圧迫する懸念も強まる中、緩和継続で国内景気を下支えする。個人消費の回復が鈍い状況を反映し、国内の景気判断は「基調としては持ち直している」に下方修正した。

日銀は17日から2日間の日程で決定会合を開催した。黒田東彦総裁が18日午後から記者会見し、決定内容を説明する。

短期金利をマイナス0.1%、長期金利の指標になる10年物国債の利回りをゼロ%程度に誘導する長短金利操作(イールドカーブ・コントロール)は賛成多数で維持を決めた。上場投資信託(ETF)を年12兆円を上限に、必要に応じて買い入れる資産購入策も全会一致で決定した。コマーシャルペーパー(CP)・社債は、4月以降に買い入れ残高をそれぞれ約2兆円、約3兆円とコロナ前の水準に徐々に戻す。

国内景気の判断は、前回1月の「持ち直しが明確化している」から下方修正した。政府は東京や大阪など18都道府県について、新型コロナウイルス対応の「まん延防止等重点措置」を21日の期限で解除することを正式に決めた。経済活動は正常化に向かうが、飲食や宿泊を中心に回復が鈍い個人消費の判断も「持ち直しが一服している」に下方修正した。

先行きは不透明感が強まっている。ロシアのウクライナ侵攻を受けた資源高が景気に逆風となるためだ。原油や穀物、貴金属といった国際商品価格は歴史的水準まで急騰。2月に約41年ぶりの高い伸び率を示した企業物価にはさらに上昇圧力がかかる。国内景気のリスク要因では、ウクライナ情勢が「経済・物価に及ぼす影響について極めて不確実性が高い」と明記した。

円安進行も景気の重荷になる。2月の輸入物価の上昇率はドル建てなど契約通貨ベースでは前年同月比25.7%だったが、円換算すると34.0%に上昇し痛みは増す。米連邦準備理事会(FRB)が利上げに動いたことで日米金利差の拡大観測が強まり、円売り・ドル買いが進んでいる。今週に入り外国為替市場では円相場が一時、1ドル=119円台と約6年ぶりの水準まで下落した。

先行きの物価については「プラス幅をはっきりと拡大すると予想される」と表現を明確にした。携帯電話通信料の引き下げという特殊要因が今春以降に剝落するためで、原材料コストの価格転嫁も進むとみる。1月会合で示した「エネルギー価格上昇による押し上げ寄与は減衰していく」との表現は盛り込まなかった。

原材料コストの増加が主導する物価上昇は企業収益や家計の実質所得を圧迫する。ウクライナ侵攻で景気の不透明感が増しているため、次回4月の会合で示す「経済・物価情勢の展望(展望リポート)」で改めて精査する。

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