みずほ、排出ゼロ20年前倒し 銀行の脱炭素目標相次ぐ
みずほフィナンシャルグループ(FG)は17日、自社施設などからの温暖化ガス排出量を実質ゼロにする目標時期を2050年度から30年度に前倒しすると発表した。三菱UFJFGと三井住友FGも同様の目標を掲げており、足並みがそろった。投資家が企業への圧力を強めるなか、資金の出し手である銀行も意欲的な目標設定で脱炭素に取り組む。
再生可能エネルギー調達の実現性などを精査した結果、20年の前倒しとなった。電力業界の投融資先については、発電量1メガワット時あたりの二酸化炭素排出量を30年度に20年度実績から4~6割に減らす目標も掲げた。
三井住友FGも13日、電力分野の新たな目標を開示した。石炭火力発電向けコーポレートファイナンスの貸出金残高(22年3月時点で800億円)を、40年までにゼロにする。石油・ガス、石炭分野での削減目標も今後策定する。温暖化ガス削減量「カーボンクレジット」を取引する国際的な決済プラットフォーム「カーボンプレイス」に三井住友銀行が設立メンバーとして参加し、12月から稼働させる。
今年4月、環境団体などが三井住友FGに気候変動対策の開示強化などを求める株主提案を出した。みずほには20年、三菱UFJには21年に提案されていた。