りそながはまった落とし穴 五味元金融庁長官が見た光景
銀行誤算の20年、当事者に聞く
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今から20年前、大手銀行は今と全く違う生きるか死ぬかの大勝負に挑んでいた。2003年3月期決算で金融庁が決めた健全性ルールに合格しなければ、国が直接経営する国有化プロセスに入るからだ。政府は法制度を整備し、淘汰された問題銀行の受け皿と考えていたが、経営権の剝奪、つまり頭取のクビを宣告する手続きだった。
銀行は猛反発し、自力増資で自己防衛に走る。その過程で落とし穴にはまった唯一の大手銀行がりそなホールディングス