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学費準備の計画は3段階のステップで

子育てとお金(3)

写真はイメージ=PIXTA

今月は子育てとお金の話をテーマにしています。学費準備の話に話題は移ってきましたが「学費準備が1000万円も必要なのは大変だから、子どもをつくるのは諦めよう」という心配をする必要はありません。

いくつかのステップを踏みつつ、計画的な学費準備にチャレンジしてみましょう。

全額を事前に準備しようと思わなくていい

これから子どもをつくろうと考え始めたカップル、あるいはまだ赤ちゃんの子どもを抱える夫婦が子育てにお金がかかることを聞くと、どうしても消極的になってしまいます。

「子どもが成人するまで2000万円以上かかるなんて、絶対に無理!」と思うことで、本当は欲しいと思っていた子ども(1人目あるいは2人目以降を)を諦めてしまいそうになります。

しかし、全額を事前に準備しようと考えるから不可能だと思えてくるわけです。

例えば、子どもを育て上げるのに2000万円以上といっても、実際には食費や被服費が少しずつ積み重なっていく中で大きな数字になっていきます。多くの金額は毎日少しずつ出ていくわけです。子どものお米代と親のお米代は分別管理されているわけではありません。半分以上の子育て費用は日々の家計管理、節約の中で意識しておけば大丈夫です。

計画的に大きな金額を準備する目標は学費関連に絞るといいでしょう。つまり「塾や予備校の費用」「受験費用と入学金」「高校や大学の学費」にかかる部分にフォーカスします。

日本政策金融公庫の調査などの統計では900万~1000万円とされており、2000万円ではなくその半分ということになります。そして、これも全額を事前に準備する必要はありません。

子育てをしている先輩たちがみんな1000万円ためて高校入学を待っているわけではなく、できる範囲で準備し、残りは在学中にも捻出しているからです。目標を分解し、バラしながら「見える化」していけば、学費準備もそう怖いものではなくなってきます。

まずは200万円を目標に

学費準備を3段階に分けて、まず考えてみたいのは「塾」と「入学金」の費用準備です。日本政策金融公庫の調査をみると、高校の入学諸費用(受験費用、入学金等)が36.5万円、大学の入学諸費用が89.7万円となっています。まずはこれを確実にためておくようにします。目標としては150万円というところでしょうか。

幼児教育・保育無償化の3年間、小学校の6年間、中学2年間の11年でためるなら、月1.14万円くらいをためることになり、これは、おおむね児童手当を全額貯金するようなイメージになります(所得が高い人は減額されることに注意)。

塾や予備校の費用も心配です。文部科学省の「子供の学習費調査」をみると、中学2~3年と高校3年がやはり費用が高くなり(公立の場合)、年20万~35万円くらいが平均となっています。こちらも50万~100万円くらいの備えがあれば、夏期講習や冬期講習の振込額をみて焦らずにすむでしょう。

そうなると、先ほどの積立額にプラス5000円くらいをイメージするとよさそうです。

次に「大学学費」の半分を目標に

塾や予備校の資金、入学金の不安が解消されるだけで、学費の不安はぐっと小さくなります。「進学させてあげられない」という心配がひとまずなくなるからです。

次に考えていきたいのは、大学学費の半分程度をあらかじめ確保しておく計画です。

日本政策金融公庫の調査では高校の学費は年69万円、大学の学費は年157万円としており、特に大学の学費が大きくなります。高校が約210万円、大学が約630万円として、まずは大学の学費の半分に相当する300万円の確保を考えてみます。

先ほどと同様に11年でためるとすれば、月2.27万円を上乗せすることになります。先ほどの金額に加えると約4万円の積み立てが目標となります。

さらにこれを「毎月2万円+ボーナスごとに12万円」というようにバラしていくと、現実的な目標となってくるでしょう。

2人以上子どもがいるなら「重なり」にも注意

第2段階の目標がクリアになれば、学費準備はもやもやとした恐怖ではなくなります。このまま計画的に学費のための資産形成に取り組めば、足りない部分は「高校の学費」と「大学の学費の半分」まで小さくなっているからです。

ここまで年48万円程度の積み立てができているのであれば、中学3年生以降もそのペースでため続け、毎年学費に充当することができます。高校の学費の約3分の2、大学の学費の約3分の1は、その年ごとに学費に充当していきます。高校入学以降は「ためた分がすぐ納付されて消えていく」となりますが、まったくやりくりできない、ということはないはずです。

ただし、ここまでの説明は「子ども1人分」です。子どもが2人以上いる場合は、同じ考え方で「児童手当はそのまま入学金準備に回す」「上乗せをして塾費用、学費の半分確保」をするという取り組みを子の人数分行います。

2人以上子どもがいる場合、高校入学以降に「ダブル学費期間」が生じます。高校と大学、特に大学に2人が重なる場合、その年の年収から2人分の学費を納付するのは厳しいので重なっている年数を計算し、その分はあらかじめ上積みして備えるプランニングをしてみるといいでしょう。

こうやって、「入学諸費用」→「大学学費の半分」→「それ以上の準備」というように分解していけば、高額の準備も実現可能なものにブレークダウンできます。大変ではあるものの、立ち向かうことのできるハードルになるはずです。

ところで、奨学金や教育ローンについてここまでは触れてきませんでしたが、自分や子どもの将来に返済を先送りすることについては、学費準備を楽にしてくれる半面、注意すべき点もあります。これらの教育資金確保手段については来週考えてみたいと思います。

◇  ◇  ◇

FP山崎のLife is MONEY」は毎週月曜日に掲載します。

山崎俊輔(やまさき・しゅんすけ)
フィナンシャル・ウィズダム代表。AFP、消費生活アドバイザー。1972年生まれ。中央大学法学部卒。企業年金研究所、FP総研を経て独立。退職金・企業年金制度と投資教育が専門。著書に「読んだら必ず『もっと早く教えてくれよ』と叫ぶお金の増やし方」(日経BP)、「日本版FIRE超入門」(ディスカバー21)など。http://financialwisdom.jp

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