インフレの謎、FIREの現実 …今読むべきお金の本
今読むべきお金の本(17)

優しい語り口だが内容は充実。インフレの謎を追う

著者は東京大学教授で、オルタナティブデータを提供するベンチャー、ナウキャストの創業者。オルタナデータとは、クレジットカード決済額やPOS(販売時点情報管理)情報などを分析して算出する統計データで、経済動向を知る新たな指標として注目されている。本書では、今の世界的インフレの背景にある特殊要因、「情報社会」が物価に与える影響──など、インフレの謎を解くための分析が充実。難しいテーマを扱っているが語り口は優しく、マクロ経済に苦手意識のある人でも読みやすい。
渡辺努著 / 講談社 / 990円(税込み・以下同)
2×2で、お金の価値観をスッキリ整理

ファイナンシャルプランナー(FP)の山崎俊輔氏が、「人生とお金の最適解」を見つけるコツを指南。2×2の4マスでお金の価値観を整理すれば、型にはまらない考え方でお金の悩みを解決できる。このメソッドは、貯蓄や投資の方向性から、「持ち家か賃貸か」など、人生の選択の悩みにまで応用可能。
山崎俊輔著 / ディスカヴァー・トゥエンティワン / 1650円
勝つための実践的な知識が満載

「日経マネー」の取材先としてもおなじみ、億万投資家のDUKE。氏の著書。同氏が主宰する投資塾で資産1億円を達成した3人の投資手法から、DUKE。氏の業績予想と目標株価の算定法まで、一冊にまとまっている。
3年で3人の「シン億り人」を誕生させたガチ投資術
DUKE。著 / KADOKAWA / 1650円
リアルなFIREの姿を知る

経済的自立を達成して早期退職することを指す、「FIRE(Financial Independence, Retire Early)」。株式投資などでFIREを達成した人たちが、達成までの道のり、FIRE実現後の生活について語る。
パトリック・ハーラン、遠藤洋、山崎俊輔、アキラ、右京、はちどう、ぽんちよ、DUKE。、www9945著 / 宝島社 / 1650円
経営コンサルタントに学ぶビジネス力を磨くコツ

経営コンサルタントの小宮一慶氏が、「数字力」「時間力」「リーダー力」「習慣力」など様々なスキルを磨くコツを伝授。参考になる情報源の見つけ方や、仕事で成功するために身に付けたい習慣などが分かる。
「ビジネス力」養成大全
小宮一慶著 / ディスカヴァー・トゥエンティワン / 1980円
離婚した後も、相続の落とし穴はある!

ケーススタディー形式で、離婚と相続についての実践的な知識を習得できる。夫婦問題と相続に強いFPと、弁護士の共著。ただでさえ相続問題は複雑なのに、離婚が絡むと思ってもみない問題が発生するという。誤解や思い込みによって生じる相続の落とし穴を、対話形式で分かりやすく解説している。
寺門美和子、木野綾子著 / 光文社 / 1980円
[日経マネー2023年2月号の記事を再構成]
著者 : 日経マネー
出版 : 日経BP(2023/2/21)
価格 : 800円(税込み)
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「お金のことを本でも学びたいけど、たくさん出ていてどれを読んだらいいか分からない」。初心者の方からよく聞く話です。そこでこのコーナーでは「お金×書籍」をテーマとして、今読むべきお金の新刊本や古典の名著などを紹介し、あわせてお金の本の著者にも読みどころなどをインタビューします。