ソニーG、上値重く 物流になお懸念
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ソニーグループ株の上値が重い。16日の東京市場で6営業日ぶりに反発したものの2021年末比で2割安い水準にとどまる。中国でロックダウン(都市封鎖)再開への懸念が高まるなど依然として物流面での不安が残る。ゲーム市場の競争激化も株価の上昇を抑える要因となっている。

終値は前日比170円(1.5%)高い1万1285円だった。UBS証券は15日付で投資判断を「ニュートラル(中立)」から「バイ(買い)」に引き上げ、目標株価も1万3000円から1万6000円に引き上げた。UBS証券は「テレビなど家庭向け製品の需要が減速したことで、プレイステーション5(PS5)向けに共通する部品を回しやすくなった可能性が高い」とみている。
もっとも物流面での懸念は根強い。滞船の長期化など輸送網が完全に回復するには数年かかるとの見方もあるため、部品を入手できても製品が消費地に届かない可能性もある。東洋証券の安田秀樹氏は「年末商戦向けに航空便や輸送船の枠がとりにくくなっている」と指摘する。
競合との争いも激しい。SBI証券の和泉美治氏は「米マイクロソフトなどソニーGより時価総額の大きい企業が競合だ。資金力の差が懸念材料の一つ」とみている。

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