キヤノン一時7%高 デジカメ復調、増配を好感
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16日の東京株式市場でキヤノン株が大幅続伸した。一時、前日比176円50銭(7%)高の2845円50銭まで上昇し、約1カ月半ぶりの高値をつけた。前日の取引終了後に2021年12月期の期末配当を1株あたり55円と、従来予想から10円引き上げると発表。新型コロナウイルス禍で落ち込んでいたオフィス関連機器やデジタルカメラの復調を好感した買いが集まった。

終値は7%高の2843円。売買代金は前日の4倍超に膨らみ、値上がり率とともに東証1部のランキングで上位に入った。21年1~9月期の連結純利益(米国会計基準)は前年同期比5.2倍の1549億円。コロナ禍からの回復で営業活動が進んでいる医療機器も堅調に推移する。
増配の発表は今期2回目となる。今回の増配の要因について同社は「設計変更や商品構成の見直しなどの効果もあり、業績が予想以上に好転する見込み」と説明。みずほ証券の森貴宏氏は「来期以降も増配継続が期待できる」と指摘する。
予想PER(株価収益率)は14倍台、PBR(株価純資産倍率)は1倍台と、おおむね市場平均並み。市場では「新製品開発への投資など成長期待が乏しく、上値が重くなる可能性もある」(国内証券)との声もあった。

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