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日銀、脱炭素融資で新制度 マイナス金利の負担軽減

(更新)

日銀は16日の金融政策決定会合で、新型コロナウイルス禍に対応した大規模な金融緩和策の維持を決めた。金融機関の気候変動対応の投融資を促す新制度は、金融機関のマイナス金利の負担を軽減しやすくする優遇措置などを含む骨子案を示した。年内をめどに始め、2030年度まで実施する。日銀は同日、その他の気候変動への取り組み方針もまとめ、外貨建てグリーン国債購入などを進める考えを示した。

日銀は15日から2日間の日程で決定会合を開いた。黒田東彦総裁が16日午後に記者会見を開き、決定内容を説明する。

日銀は6月の決定会合で導入を決めた気候変動対応の新制度について、今回の会合で骨子素案を示した。環境対応の投融資を手がける金融機関に対し、金利0%で日銀が円資金を供給する。貸付期間は原則1年間だが、回数制限なしで借り換え可能にして実質的に長期資金を供給する仕組みだ。

利用の促進に向けた優遇策では、金融機関の日銀当座預金にかかる金利が0%となる部分を増やし、マイナス金利の適用を回避しやすくした。事実上の補助金になる上乗せ金利を付ける措置は見送った。

具体的な支援対象には、脱炭素につながる設備投資をする企業への融資や環境債の購入などを想定する。企業が脱炭素に移行する際の資金調達「トランジション・ファイナンス」も対象に含めた。金融機関には気候変動の取り組みで「一定の開示」を求め、制度の透明性や妥当性を確保することをねらう。

金融政策では、短期金利をマイナス0.1%、長期金利の指標になる10年物国債利回りを0%程度に誘導する長短金利操作(イールドカーブ・コントロール)の維持を賛成多数で決めた。上場投資信託(ETF)を年12兆円を上限に必要に応じて買い入れるといった各種の資産購入策は全会一致で継続を決めた。

日銀は同日、同行全体の施策をまとめた「気候変動に関する取り組み方針」も公表した。金融システムの安定に向けては、金融庁と連携して大手金融機関を対象とした「共通シナリオ分析」を試行する方針だ。気候変動が経済や市場に与える影響について一定の仮定を置き、金融機関の財務健全性を保てるかなどを検証する見通しだ。

日銀が保有する外貨準備などの外貨資産の運用も見直す。外貨建てのグリーン国債などの購入を通じて、自らの保有資産のグリーン化も図る。世界の金融当局が設置した気候関連財務情報開示タスクフォース(TCFD)の提言に基づき、日銀自身や取引先金融機関の情報開示を充実させる考えも示した。

一方、同日公表した四半期に1度の「経済・物価情勢の展望(展望リポート)」では、21年度の成長率見通し(政策委員の見通しの中央値)を3.8%とした。前回の4月時点の4.0%から小幅に引き下げた。4~6月は大都市圏などが対象の緊急事態宣言の延長が繰り返され、東京都では7月に4回目の宣言が発令された。飲食・宿泊など対面型サービスの需要回復が遅れ、景気を下押しする要因になっている。

21年度の生鮮食品を除く消費者物価指数(CPI)の上昇率については、4月時点の0.1%の予測を引き上げ、0.6%とした。資源高が進んでいるほか、携帯電話料金の引き下げの影響が当初見込んだよりは小さくなるとの見方が日銀内で出ている。

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