奇跡の秘密、年金で得する法… 今読むべきお金の本
今読むべきお金の本(15)

奇跡はなぜ起こるのか。統計学で学ぶ、運の本質

"不運"にも「13日の金曜日」に生まれた、確率と統計学の教授である著者。生き別れた兄弟との偶然の再会や、人生で7回雷に打たれた人、リンカーンとケネディの人生の不思議な共通点――など、思わず「不思議な力が働いているに違いない」と考えてしまう話の本質を、統計学で解説。人は統計学よりも"逸話"が好きであるために、事実をゆがんで解釈してしまうことを思い知らされる。本書で物事を俯瞰的に見る力が身に付けば、投資にも役立つだろう。
ジェフリー・S・ローゼンタール著、石田基広監修、柴田裕之訳 / 早川書房 / 1496円(税込み・以下同)
老後に差がつく、年金で得するポイントは

監修はファイナンシャルプランナー(FP)の井戸美枝氏。公的年金の改正のポイントから、つみたてNISA(積み立て型の少額投資非課税制度)やiDeCo(個人型確定拠出年金)といった「じぶん年金」のつくり方まで解説。得するポイントが大判カラーでまとまっている。
井戸美枝監修 / 宝島社 / 858円
ゼロからメタバースを理解する

著者は、仮想空間「メタバース」領域で法人向けサービスを手掛けるベンチャー企業の最高執行責任者(COO)。今さら聞けないメタバースのいろはを、全ページカラーで分かりやすく解説。ゲーム業界のみならず小売りや医療まで、幅広い企業がどのように新技術を活用しようとしているのかが分かる。
武井勇樹著 / 技術評論社 / 1320円
大投資家、本多静六氏の生きざまを知る

東京の日比谷公園などを設計した、日本を代表する造園家である本多静六氏。巨額の資産を築いた投資家という側面もある同氏の考えは、金融界にも影響を与えている。ノンフィクション作家である北康利氏が、幼少期から晩年まで、彼の生涯を描き出す。
北康利著 / 実業之日本社 / 2200円
マクロの観点から経済の今をチェック

株式市場では、インフレと景気後退が同時に進む「スタグフレーション」が警戒されている。過去30年にわたってデフレの時代が続いている日本では今、どのようなことが起こっているのか。円安がインフレに与える影響とは。経済評論家の著者が、自身の視点を語る。
加谷珪一著 / 祥伝社 / 968円
お金の名著のエッセンスを紹介

著者はYouTubeで投資本の要約チャンネルを手掛ける。そんな彼が、お金の名著を200冊読んで見えてきたという資産運用のエッセンスを紹介。「これから投資本を読んで勉強したい」という初心者にとっては、案内本にもなってくれる。
タザキ著 / クロスメディア・パブリッシング / 1848円
[日経マネー2022年12月号の記事を再構成]
著者 : 日経マネー
出版 : 日経BP(2022/12/21)
価格 : 750円(税込み)
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「お金のことを本でも学びたいけど、たくさん出ていてどれを読んだらいいか分からない」。初心者の方からよく聞く話です。そこでこのコーナーでは「お金×書籍」をテーマとして、今読むべきお金の新刊本や古典の名著などを紹介し、あわせてお金の本の著者にも読みどころなどをインタビューします。