クボタが大幅安 業績の停滞を懸念
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15日の東京株式市場でクボタ株が一時、前日比307円(13%)安の2051円まで急落し、約1年3カ月ぶりの安値を付けた。14日に2022年12月期の純利益(国際会計基準)が前期比1%増の1780億円になりそうだと発表した。アナリスト予想の平均(QUICKコンセンサス)の2059億円(1月14日時点)を下回り、業績の停滞を警戒した投資家の売りが拡大した。

終値は同297円50銭(13%)安の2060円50銭だった。
前期は米国で農機や建機が好調で大幅増益となったが、今期は一転伸び悩む。原油、鋼材価格の高騰や、コンテナ不足による輸送コストの増加などが収益を圧迫する見通しだ。脱炭素化に向けた投資の負担も懸念される。
SMBC日興証券の担当アナリストの大内卓氏らは14日の決算発表後のリポートで「決算全体の第一印象はネガティブ」とし、「物流費、原材料費上昇の影響は想定以上」と指摘した。
予想PER(株価収益率)は13倍台で、市場では割高感は乏しいとの声も多い。松井証券の窪田朋一郎シニアマーケットアナリストは「短期的には業績下振れの懸念があるが、農機具の需要は底堅く中長期的には業績の拡大が見込まれる」と指摘する。
